ミニにゅうす 1024号 2021年12月20日

三番瀬をラムサール条約に登録しよう

 白と黒のボディに、ニンジンのようなオレンジ色のくちばしと赤い目、ピンク色の足のミヤコドリが今年も三番瀬にやってきました。カムチャッカ半島で繁殖して、冬を三番瀬で過ごします。
 三番瀬には、他にもオーストラリア・ニュージーランド・韓国・中国などと行き来をするシギ、チドリが訪れます。渡り鳥の中継地として国際的にも貴重な干潟が三番瀬です。

 
統合計画から「三番瀬のラムサール条約への登録推進」を削除

 ところが現在船橋市が策定中の次期基本計画案から、これまで掲載されていた「三番瀬のラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)への登録を推進する」という文言が削除されました。船橋市議会に設置された「総合計画に関する調査研究特別委員会の市民環境経済分科会」で議論の結果、神子そよ子委員(日本共産党)、木村修委員(公明党)、滝口一馬委員(自由市政会)、島田たいぞう委員(創風ふなばし)から「『三番瀬のラムサール条約への登録を推進する』を基本計画に追加すること」との意見書が提案されました。
 さらに「漁業従事者、組合、前回の藤代前市長がつくった総合計画に記載されていることや、松戸市長の公約にラムサールが掲載されていることを理解しており、否定するべきものではないと言っている(滝口委員)」「今まで入っていたものが次回から落ちるということは、やらないと受け止られかねないし、このまま入れておいた方がいい(藤代清七郎委員)」「文言を消すと藤代さんを応援し、松戸さんを応援してきたこと自体を否定される形になるから文言を残してもらいたい(七戸俊治委員)」「私としてもこの文言で賛成したい(三橋委員)」などの意見が出され、分科会では全会一致で追加することになりました。
 分科会の報告を受けた12月2日の全体会では賛成が多数でしたが、全会一致とはならず、議会からの提言にならなかったことは残念です。
 来年はラムサール条約の締約国会議が開催されます。貴重な三番瀬の干潟を将来にわたって保全するために、ラムサール条約への登録を実現させましょう。

人類の未来を決める9年間
気候危機を打開するとりくみを

 11月13日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、世界の平均気温の上昇を産業革命前より1・5度に抑える努力を追求することが、初めて合意されました。
 国連によれば、1・5度以下に抑えるためには、2030年までに世界の二酸化炭素(CO2)排出量を45%(2010年比)減少させる必要があります。
 こうした中で、船橋市の2030年目標は、26%削減(2013年度比)と極めて低いものです。加えて、廃プラスチックを可燃ゴミとして燃焼させているため、年間8万トンものCO2を排出しています。燃焼させて発電する熱回収は、温暖化対策に逆行するものであり、日本共産党は見直しを求めています。

CO2排出量の15%が市内60の事業所に集中

 船橋市によると2017年度、市内の温室効果ガス排出量は353万トンでした。このうち4割は産業部門からの排出です。特に量が多い60事業所の分が、全体の15%を占めます。
 柏市や京都市・横浜市などは、一定規模以上の温室効果ガスを排出する事業所名や削減計画、実績を公表しています。船橋でも実施を求めたところ、市は「大所の事業者から取り組み状況を聞き、先進的な取り組みの情報共有を図る」と答え、実施については明言を避けました。本気で取り組むなら大企業に肩入れせずに、市民を信頼して情報を公開すべきです。
 この他、下記の提案をしました。 ◆住宅用太陽光発電システム・省エネ設備費の補助金の予算が少なく、11月で締め切られた。予算枠の拡大を。
…市「他市の効果も確認し、必要なものは導入していきたい」 ◆再生可能エネルギーの利用や税制、補助金、脱炭素に有効な製品サービスの選択など、市民にアドバイスができるような支援窓口の設置を。 …市「情報を配信し、相談に乗る機会が今後増えると考える。課題として捉えたい」
◆気候変動対策課など、専門部署の設置を。
…市「現行体制の中で進めたい」 ◆気候非常事態宣言を出し、市内外に警鐘を鳴らすべき。
…市「ゼロカーボン宣言をしており、改めて宣言する必要はない」
 体制問題や宣言については残念なものでした。とはいえ、対策は待ったなしです。引き続き取り上げ、草の根の運動と共に前進していきたいと思います。

無料法律相談 1月19日(水)/2月17日(木) 船橋市中央公民館