ミニにゅうす 1032号 2022年4月25日

住宅街のど真ん中で、再び日米共同訓練
戦争反対の世論に逆行する暴挙に抗議

 4月19日から21日までの日程で、習志野演習場を使用した米空軍機からの降下訓練を行うことを、14日の17時に北関東防衛局が発表しました。米軍と共同での降下訓練は、今回が3回目。降下訓練始めでの公開展示を含めると、4回目となります。しかし、当該自治体には、訓練内容の詳細は一切明らかにされず、実施日は直前になるまで知らせない、という防衛省の姿勢は、全く改善されていません。
 日本共産党は、繰り返されるこうした事態に抗議・中止を求めるため、防衛省に対し申し入れを行いました。申し入れには、習志野演習場の周辺に住んでいる地域の住民の皆さん、日本共産党からは、はたの君枝前衆議院議員、さいとう和子参議院選挙区予定候補、船橋・習志野・八千代の各市議会議員が参加しました。
 参加者からは、「周知期間が短すぎる。こんな危ないことはやめてほしい。」「連日、ウクライナでの戦闘状況が報道されており、子どもたちが怖がっている。中止してほしい」などの要望が出されました。
 日本で最も小さい演習場であるにもかかわらず、日本で最も多くの訓練が行われている、習志野演習場。住民の命を危険にさらし、ロシアへの挑発行為とも受け取られかねない訓練を、中止すべきです。

 

あらためて呼びかけます
「三番瀬をラムサール条約に!」


オーストラリアなど南半球と北極圏を行き来するホウロクシギ=三番瀬 2022年3月11日撮影

 ラムサール条約の締約国会議が、今年11月に中国の武漢で開催が予定されています。この条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びその動植物の保全を促進することが目的です。前回2018年ドバイで開かれた会議では、葛西臨海公園が湿地登録されました。習志野市の谷津干潟とともに、東京湾奥部に生息する水鳥等の保全が条約で大きく位置づけられました。船橋市の前面に広がる三番瀬の保全がいよいよ重要になっています。三番瀬を将来にわたって保全するため、日本共産党船橋市議団は三番瀬をラムサール条約の登録湿地にすべきだと考えます。

アラスカとオーストラリアを往復する水鳥

 三番瀬には毎年数多くの水鳥が訪れます。カムチャッカ半島で繁殖し、秋から翌春にかけ三番瀬で越冬するミヤコドリは、日本一の飛来数をかぞえ、ハマシギも日本有数の生息地になっています。
 注目されているのはオオソリハシシギ。毎年、繁殖地である北極圏のアラスカと南半球のニュージーランドを往復。秋になると、1週間から10日間休まず1万キロ以上も飛び続け太平洋を縦断します。そして春から夏にかけて、アジアを経由して北極圏に戻ります。このオオソリハシシギが三番瀬に飛来し、えさをついばむ姿が見られます。
 三番瀬がカニや貝類などの底性生物や魚など、水鳥の餌が豊富な干潟であるため、多くの水鳥が飛来しています。渡り鳥にとっては、欠かすことのできない中継地となっています。
 アジア沿岸部の開発により、オーストラリアとアラスカ・ロシアを行き来する渡り鳥の中継地である干潟が失われ、渡り鳥の生息数が大幅に減少していることがオーストラリアの研究者によって発表されています。また、温暖化による海面上昇で中継地の干潟が消滅するとの警告も出されています。 〝人間の営み〟で水鳥たちが危機に瀕しているのです。三番瀬の自然環境も、埋立や第2湾岸道路の計画でたびたび危機にあってきました。今も国や千葉県は、新たな湾岸道路を構想しています。
 今あらためて、三番瀬のラムサール条約登録をすすめ、自然豊かな水鳥の生息地を守る取り組みを呼びかけます。
 ラムサール条約は生態系の保全とともに、ワイズユース「賢明な利用」で湿地の生態系を維持しながら地域の生業(漁業など)や生活とバランスを取り、恵みを持続的に活用することも提唱しています。豊かな自然環境、豊かな漁業と豊かな市民生活のために力を合わせましょう。

無料法律相談 5月11日(水)/6月9日(木) 船橋市中央公民館