166号【2003年2月発行】

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12月市議会

中核市で県は身軽に ―― 市の事務は大幅に増えるが・・・
財政問題が引き続き課題

 12月市議会が20日に閉会になりました。
 日本共産党は、中核市移行の権限委譲問題や、市民アンケートで寄せられた介護保険制度の改善、保育問題などを質問で取り上げるとともに、「拉致問題の徹底解決」「国道、県道の歩行者安全対策」、市立医療センター運営費の県負担金増額をもとめる「船橋市事業に対する県負担の適正化に関する意見書」などを提案し、全会一致で可決されました。
 公明党は児童扶養手当制度見直しに関する意見書を提案しましたが、その内容は先の国会で与党として、児童扶養手当を支給開始から5年後に半額とする福祉切捨てを強行しながら、市議会では、改悪された内容の運用を検討せよというもので、まったくの無節操ぶりです。
 また保守の議員からさえも「小中学校が崩壊寸前」と厳しい指摘がされました。
 市財政の厳しさの背景には、JR船橋駅南口再開発など大型開発事業が市財政を大きく圧迫していることと、国が地方自治体の財源を保障しないことがあります。無駄な大規模開発の中止と地方自治切捨ての小泉・自公保政治の転換の必要性が、船橋市政でも鮮明となりました。

利権の舞台になる可能性も 中核市で何が変わる?

 船橋市は今年の4月から、「中核市」に移行します。
 中核市は、これまで県の仕事だったものが一部船橋市に移されます。保健所業務や、産業廃棄物の処理などの許可や監視・指導する権限も市に移ります。
 これまでにも廃棄物収集の許可業者になるために「口利き」疑惑があったとの噂も聞かれましたが、今度はさらに産業廃棄物の処理業者の許可権に関わっての「口利き」の舞台になることも危惧されます。
 市長は「中核市になることで、国と協議する機会もある。職員の意識が変わることに期待したい・・・」などと述べていますが、日本共産党は中核市が「利権の舞台」にならないように、議会での活動を強めていきます。  

「やり方」がこれで良いのか! 職員の給与引き下げ

 市の財政が厳しいといって、職員の給与引き下げの議案が提出されました。
 18万円ちょっとの若い職員や子育て真っ最中の職員の給与が高すぎると批判する市民は少ないはずです。
 これまでも再三指摘してきたことですが、「入札制度の改善」「船橋駅南口の再開発ビルの負担の見直し」「市役所庁舎の借地料の引き下げ」などをまじめに行なえば、数十億円の節約ができるのです。そちらは放置して職員の給与を引き下げるのは、財政の厳しさを宣伝するための「口実づくり」ではないでしょうか。

下げるにしても 「別のやり方」がある

 市長や助役などの「常勤特別職」の給与を知っていますか。市長の月給は114万円、助役は86万7千円です。例えば同じ「5%減額」と言っても、わずか18万円の職員と市長の給与の「5%減」では、生活に与える影響はどれだけ違うでしょうか。
 また、今回の給与引き下げでも、市長や助役の退職金には影響しません。市長の退職金は「引き下げ前の給与月額の55%に、在職月数を掛けた額」ですから、毎月62万7千円ずつ退職金が積み立てられる計算です。市長は実質的に毎月「176万7千円」の給与を受け取っていることになります。こんなところから改革するべきではないでしょうか。

値上げは抑えられる 介護保険料

 4月から徴収する介護保険料の額が検討されています。
 船橋市は介護保険料の剰余金を12億3000万円も積み立てています。日本共産党は、この積み立て金を使い保険料の値上げを抑えるよう求めました。答弁では「保険料抑制のために基金の一部取り崩しを行う」ことが表明されましたが、どこまで値上げを抑えるのかは明確にされませんでした。
 また、さらに今年度も剰余金がでることなどから、市の意志で保険料据え置きが可能なことがはっきりしました。
 さらに今議会、非課税世帯の保険料軽減のため現在の5段階の保険料を6段階にすることを検討するとの答弁もあり、4月以降の保険料額をどこまで抑えることができるか目が離せない状況です。

おびやかされるいのちと健康 国保制度の改善をいそげ!

 船橋市の国民健康保険料は千葉県内でも突出して高額です。平成13年度の一人当たりの保険料は県内8番目(年間81,342円)となっており、長引く不況の中で市民の負担は重くなっています。
 そのため保険料の滞納世帯が約1万世帯に増加し、期限付きの短期保険証や、全額を窓口で支払わなければならない資格証明書が発行されている世帯は約8000世帯にのぼり、病院に行きたくても行くことのできない市民が増大しています。
 保険料を年間1万円引き下げるには、一般会計からの繰入を9億3千万円(一般会計の0.7%弱程度)増額する必要があります。しかし船橋市では一般会計からの繰入金は被保険者一人当たり7,891円で、県内最高の成田市の26,990円の4分の1というお粗末さです(平成13年度比較)。
 保険料引き下げと共に低所得者に対する保険料と医療費の減免をしていくための基準づくりも急がれています。
 日本共産党は国保制度の改善などで、市民のいのちと健康を守る行政実現に取り組みます。

地方議会でも 外交問題は重要な課題に!

 市民の方から「アメリカの対イラク先制攻撃阻止」の意見書提出を求める陳情が出されたり、日本共産党、公明党、小さな声ネットワークの3会派が拉致問題についてそれぞれの意見書を発議するなど、外交問題が地方議会でも重要な課題になっています。
 「拉致問題」での公明党の案には、「一部政党が誤った認識を持ち、問題を棚上げにしてきたことで解決が先延ばしにされた」など、意味不明の文章が盛られていました。北朝鮮のキム親子をほめたたえていたのは、文章を出した公明党自身だったのです。結局3会派でまとめた意見書からは削除され、拉致問題の解決を求める意見書は全会一致で可決されました。
 日本共産党が、「イラク攻撃」に反対し、拉致事件の解決のためには、北朝鮮政府と公式の外交ルートで交渉し、解決すべきだと提案してきたことは、日本共産党の外交姿勢こそが「国際基準」だということが、いよいよ明らかになってきたと言えます。
 日本国中の人がその解決を望んでいる拉致問題を、政争の具にしている公明党と比較してみて下さい。

ついに改善!
乳幼児医療費助成 船橋市は3歳まで対象に 忘れずに申請を

 乳幼児医療費が、今年の4月から、受給券を出せば200円で受診できるようになります。
 4歳の誕生月の月末まで(1日生まれは除く)の子どもの医療費が通院1回、入院1日につき200円(市民税均等割り以下の世帯は無料)の窓口負担になります。対象世帯にはこれから申請書が届くので必要事項を記入し、遅れないよう返送して下さい。3月中には受給券が届く予定です。
 市民団体からは繰り返し陳情がだされ、日本共産党議員団も議会で取り上げ条例提案を行ってきた課題でした。
 市民の要望が強ければ、ねばり強く取りくむことで実現できることを示しました。

<2002年12月議会>主な意見書、陳情の結果