ミニにゅうす 976号 2020年3月16日

建設労働者の待遇改善は急務 公契約条例の制定を

 昨年の大型台風で県内では住宅被害が相次ぎ、未だ多くの屋根がブルーシートに覆われています。業者が見つからない背景に職人不足がありますが、原因は賃金の低さです。

建設業ではダンピング受注や下請けへのしわ寄せで、労働者の賃金が下がっています。2018年の全産業男性労働者の年間賃金総支給額は559万円ですが、建設業の男性生産労働者は463万円と、96万円も低くなっています(日建連「建設業ハンドブック2019」より)。若者離れ、高齢化が進むのも無理はありません。
現状を打開するため、野田市など、公契約条例を制定する自治体が広がっています。公契約条例とは、受注業者に下請けを含め、一定額以上の賃金支払いなど、労働条件の最低基準の確保を求め、公共事業の品質確保、労働環境の整備をはかる条例です。
船橋市は「国が公契約法を定めるべき」と、条例制定に背を向けています。確かに最大の責任者は国です。しかし野田市は公契約条例の前文でそこに触れながらも、「本市は、このような状況をただ見過ごすことなく先導的にこの問題に取り組んでいくことで、地方公共団体の締結する契約が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することができるよう貢献したい」としています。自治体が条例制定を進めることで国を動かすという発想です。
賃金規制を含む公契約条例を制定した自治体は全国23にのぼり、多摩市では重層下請構造の解消が進んだという報告も。日本共産党は、本会議で「船橋市でも制定すべきだ」と質しました。
企画財政部長は今は考えていないとしつつ、「野田市にはかなり注目をしている」「他市事例を、アンテナを高くして情報収集に努め、研究していきたい」と答えました。大災害の時代に無策は許されません。実現を目指していきます。

ひとり3千円 国保料値上げ 今後も2年ごと!?

 2020年度の国民健康保険料3000円値上げが提案されました。国保料は所得割と均等割の合計ですが、今回の3000円は均等割分の値上げです。
船橋市は2018年度から12年かけて2年間ずつ国保料の値上げを計画していますが、今後も均等割分が値上げされることが明らかになりました。均等割分は、所得のない子どもからも同額が徴収され、世帯の人数が多いほど負担が大きくなります。これにより更に滞納者が増え、市民から医療を取り上げてしまうことにつながります。保険料の滞納が続けば保険証が取り上げられ、短期保険証(船橋市は4ヶ月の期限付き)や資格者証(窓口10割負担)などのペナルティが課されます。国民健康保険は社会保障制度の根幹です。受診抑制や命の危険に関わるような国保料の値上げはするべきではありません。

審査もせずに「みなす不採択」

 市民から「国民健康保険料引き上げの撤回」を求める陳情が提出されています。付託先の健康福祉委員会で陳情審査前に、3000円の国保料値上げに関する「議案」が共産党を除く賛成多数で可決されてしまいました。そのため、「市民からの陳情はきちんと審議するべき」と主張しましたが、共産党と無所属の委員以外の委員により陳情は「みなす不採択」とされ、まともな議論ができませんでした。市民からの陳情はきちんと審査するべきです。

短期保険証の早期発行を

 新型コロナウイルスの拡大が懸念される中、全国の事例を基に感染拡大防止の観点から、資格者証を交付している市民に対し、直ちに短期保険証の交付を求めました。それに対し市は、「近隣の動向を見て検討する」との回答にとどまりました。感染拡大防止、発症した場合の重症化を防ぐ意味でも早急に短期保険証の発行を求めます。

船橋市保健所で新型コロナウイルスの行政検査

 日本共産党は船橋市でのPCR検査を求めてきましたが、3月11日から船橋市保健所でもPCR検査を実施することになりました。1日15〜20件の検査が可能。検査に関しては、市と医療機関が患者の状態などから検査の必要性を協議し、必要性があると判断した場合に実施されます。感染症に関して迷ったときは、帰国者・接触者相談センターで指示を仰いでください。
船橋市は、備蓄していた26万枚のマスクの一部を市内の医療機関へ配布しました。今後も必要に応じて配布するとしています。

船橋市新型コロナウイルス感染症相談センター(帰国者・接触者相談センター)
電話番号:047-409-3127
受付時間:午前8時から午後8時まで(土日祝日含む)

無料法律相談 4月15日(水)/5月13日(水)
船橋市中央公民館