• マイナ保険証の作成は任意です
    「資格確認書」で、これまで通り

     薬局で「マイナ保険証でないと薬は出せない」と言われたり、現行の健康保険証の患者が診療順を後回しにされる事態が起きています。「保険証が廃止になったら、マイナンバーカードやマイナ保険証を作らないといけないのか」といった誤解が広がり、市民の不安が日本共産党に寄せられています。
     厚労省は、医療機関や薬局の窓口で「健康保険証をお持ちですか」に替えて「マイナ保険証をお持ちですか」「次回はマイナ保険証をお持ちください」と声をかけるよう促し、マイナ保険証の利用者が増えた医療機関や薬局に、見返りとして、利用者数の増加に応じ診療所や薬局に最大10万円、病院に最大20万円の一時金を出すことにしました。それでも利用率は今年5月時点で7・73%と4月比1・17ポイント増にとどまり、今度は一時金を20万、40万と倍に上げるなど、あの手この手を使い、善良なる市民をマイナ保険証へ誘導しようとしています。
     しかし、マイナンバーカードもマイナ保険証の作成も任意であって、強制されるものではないことを私たちはしっかり認識しておくことが重要です。
     現行の健康保険証は今年12月2日に廃止になります。しかし、その時点で発行済みの保険証は、有効期限まで使用できます。国民健康保険証の切り替えは8月1日ですから、来年の7月31日までは使用可能です(短期保険証を除く)。
     また、12月2日以降、マイナ保険証を持っていない人には、現行の保険証が期限切れとなる前に、 ※保険者から申請なしで『資格確認書』が交付されますので、引き続き医療機関の受診や薬局での薬の購入ができます。『資格確認書』の有効期限は、最長5年ですが、裁量は保険者に任されています。国民健康保険証を発行している船橋市では、これまで通り申請なしで有効期限1年の『資格確認書』が発行され、その後もまた申請なしで『資格確認書』が発行されます。
     マイナンバーカードの返却やマイナ保険証の解除も可能です。
     ご不明な点は、日本共産党にお問い合わせください。
    ※保険者‥保険料の納付を受け、健康保険事業を行うもののこと:船橋市や健康保険組合など

    保育アプリ「コドモン」 大丈夫?
    足りない保育士の代わりにはなりません

     船橋市は今年3月、公立保育園27園に保育アプリ「コドモン」を導入しました。コドモン社が提供するクラウドサービスで、保育の事務作業全般を補助する保育業務支援システムです。保育者はこのアプリを使って事務作業を行い、保護者もアプリを登録します。
     園児情報や出欠席管理、生活や成長の記録など様々な情報が「コドモン社」のクラウド上に蓄積され、これまでの連絡帳や業務日誌、指導案の作成がアプリを使って効率的になるといいます。
     一見、便利になりますが、問題はないのか決算認定の質疑で取り上げました。
     これまで公立保育園で記録された子どもの記録は個人情報として各園で保護されてきました。今後はこうした情報はコドモン社のクラウドに蓄積され管理されますが、もし漏洩すれば膨大な情報が流出します。
     また、利用規約を見ると「記録保管するお子様や施設運営等に関する情報を分析利用し、分析の結果得られた内容を当社ウェブサイト等や当社の販促物イベント等において児童の教育や育成にかかわる情報として公開する」とあり、企業活動に活用されることになっています。子どもの情報が同社の儲けに活用されることを保護者に説明し、合意を得ているのか質問しました。
     こども家庭部長は「個人情報保護法等に基づき適正に管理する」「保護者がアプリをインストールするとき利用規約に同意している」「保護者がアプリを使わず、従来通りでもかまわない」と事業者任せ、保護者任せの答弁です。
     さらにコドモン社の利用規約では、契約終了時、契約者はクラウドに蓄積されたデータが使えなくなります。これまでの保育や園児の成長記録などが園に残らなくなり、ひとたび契約すると契約解除できなくなる「ベンダーロックイン」という状況も危惧されます。船橋市は仕様書でデータは引継がれることになっていると答弁しましたが、同仕様書には「引継ぎの範囲は双方で協議し、誠意を持って対応する」と書かれ確実なものではありません。
     保育データをコドモンに持っていかれてしまったら、保育水準をこれまで通り確保できるのか心配です。船橋市がしっかりと保育データを引き継ぐ契約にするよう強く求めました。
     システムの導入は保育士の過重負担の軽減が意図されていますが、保育士一人が受け持つ子どもの数である「配置基準」を抜本的に改善することなくしては解決しません。保育士の増員こそ取り組むよう求めました。

  • 第2回定例議会「猛暑と物価高騰から市民を守れ」
    追加の補正予算を求める

     5月27日から33日間の日程で、2024(令和6)年第2回船橋市議会定例会が開かれました。最終日の6月28日、市長から提案のあった約60億円の一般会計補正予算案を全会一致で可決しました。避難所備蓄品の新規・拡充や、自転車乗車用ヘルメットへの補助金、定額減税(所得税で3万円、住民税で1万円)の調整給付金などです。
     日本共産党は、「地方自治法改定案の廃案を求める意見書」「政治資金パーティ裏金事件の真相究明を求める意見書」「危険な『子ども誰でも通園制度』撤回を求める意見書」等、5つの意見書を提案しましたが、いずれも賛成少数で否決となりました。
     どの意見書も、今後の市民生活に大きく関わってくる問題であり、引き続き声を上げていきます。

    財源調整基金は193億円もあるのに
    市民への市独自の物価高騰対策なし

     今議会には、市長から約60億円の補正予算が提案されましたが、このうち約46億円は、岸田政権が実施する定額減税(所得税で3万円、住民税で1万円)のための調整給付金です。
     つまり、補正予算のほとんどが、国からの予算です。
     市民からは、何とかしてほしいという悲痛な声が寄せられています。熱中症アラートが出されているにもかかわらず、電気代を節約するためにエアコンの使用を控えている方もいます。 市は193億円もの財源調整基金がありながら、低所得世帯への物価高騰対策を提案しませんでした。

    防災対策の充実を求める陳情の不採択、なぜ?

     市民から出された「船橋市の防災に関する陳情」が反対多数で不採択となりました。
     この陳情は防災対策予算の増額、避難所の備蓄充実、トイレトレーラー導入など12項目の要望をまとめたものです。
     質疑の中で、段ボールベッドは2社と協定しているが「必要個数は決まっていない」、「避難所となる小中学校の食料備蓄は1か所70人分」など、今、震災が起きたら心配になる実態が明らかになりました。
     反対理由は「市は防災の取組を進めていて、その考え方で基本的に今後も進めていくべきもの(無所属)」や「賛成できない項目がある(飛翔)」でした。
     日本共産党は、防災対策は市が一方的に進めるのではなく「こうした陳情のような市民の声を聞いて、市民とのキャッチボールをする中で、よりよいものになっていく」と賛成の意見を主張しました。

    地元県立高校の存続を求める

     千葉県教育委員会は、2001年以降、県立高校の統廃合を進めてきました。今年5月には統廃合の対象校名(7校)を明らかにし、今後の学校のあり方を関係者から聴取する「地域フォーラム」の開催を決めました。
     対象校のうち、3校(豊富高・船橋北高・八千代西高)が同じ地域に集中し、内2校が船橋市内の高校です。豊富・船橋北高校ともに、市内の中学校からの生徒の受け皿として大きな役割を果たしています。「市内の生徒への影響」について質問しましたが、理事者からは「県からはハッキリと高校名は聞いていない」「今後のスケジュールも聞いていない」「憶測で動くことは控える」「中学校からの聞き取りはしていない」と、まるで「県立高校のことは市には関係ありません」と思えるような答弁しか返って来ませんでした。市民への情報提供や、少人数学級などすぐれた実践をしている地元の県立高校の存続を県に要請するよう求めました。

    非常に狭い習志野駐屯地に
    落下傘降下!

     自衛隊の落下傘部隊の訓練地の中でもダントツに狭いのが習志野演習場です。
     その為に失敗して演習場外の民家や学校、県道などに落下してしまう事故(場外降着)が同演習場では頻発しています。この演習場の隣にある習志野駐屯地は演習場よりも狭く、落下傘降下は大変危険です。
     ところが春の駐屯地創立記念行事に際し、昨年と今年の2回、降下が行われていました。幸いにも今回は場外降着事故がありませんでしたが、周辺住民の安全を無視した自衛隊の蛮行を許してはなりません。
     「自衛隊の活動は国の行うことだから市は何も言わない」という市の方針は間違っています。市民の安全の為、駐屯地への降下は二度と行わないよう市は国に申し入れるべきです。

    発達性読み書き障害(ディスレクシア)実態調査・学習権の保障を

     日本共産党は6月議会で、発達性読み書き障害(ディスレクシア)の子どもの学習権の保障を求めました。知的には問題がないのに読み書きの能力だけに困難がある発達性読み書き障害は、日本の小学生の7~8%に存在するとされ、その困難さから学習が遅れ、勉強自体が苦手・嫌いになったり、自信をなくし不登校になるケースもあります。
     党が実態調査を求めたところ、学校教育部長は個別に指導・助言をしていると答えましたが、未診断の子どもは放置されています。党はさらに特別支援教育支援員の大幅増、管理職や通常学級の担任への研修、障害特性を伝えるガイドブックの作成などを求めました。市側は研修について答えませんでしたが、ガイドブックは検討すると答弁。実効的なとりくみが急がれます。

    震災時のデマ、関東大震災時の船橋市で起きた朝鮮人虐殺事件を語りつぐ

     関東大震災時、「朝鮮人が暴動を起こす」のデマで、住民や警察・軍隊が多くの朝鮮人等を殺害する事件が起きました。船橋市はその事件が多発したところです(表)。背景には避難してきた多数の震災被災者からデマが持ち込まれたこと、北総鉄道(東武野田線)を敷設する朝鮮人労働者が近隣に多くいたことがあります。さらに行田にあった海軍無線電信場船橋送信所がこうしたデマを送信、地元住民に武器を渡し警戒を命じていました。デマと朝鮮人等への差別が生んだ事件でした。日本共産党は船橋市に、事件を歴史の教訓として語り継いでいくことを求めました。
     市長は「本当に平和な社会、世界をつくっていくうえで、歴史の資料としてしっかりとどめておく。何かの折に伝えていくことが非常に大事。市として今後十分留意して取り組んでいきたい」と答えました。

    「救急外来受診患者からの特別の料金(7700円)徴収は不要」を求める

     船橋医療センターでは紹介状なしで受診した際に、初診料の他に、「非紹介患者初診加算料」(以下 特別の料金)として、一般外来に限らず、救急外来でも患者さんから7700円を徴収しています。
     厚生労働省の定めでは、「救急の患者等については、特別の料金を求めてはならない」となっています。このことから、医療センターでは「救急車で来院した患者さんからは徴収しない」としていますが、同じ患者さんが救急車を使わずに救急外来を受診した場合は、7700円を徴収するという、矛盾した扱いになっています。
     救急外来を受診する患者さんはみな緊急性を感じて受診しているのだから、「救急外来を受診するすべての患者さんに対し、特別の料金の徴収をやめるべきだ」と質しましたが、「医療の機能分化に沿って、今後も厚生労働省の通知にのっとり対応する」との答弁に終わりました。引き続き、改善を求めてます。

    6月の船橋市議会
    議案・日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情への態度


    共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(11人)、公明=公明党(10人)、結=結(7人)、清風=清風会(5人)、飛翔=飛翔(4人)、市政=市政会(議長を除く3人)、無所属(4人)は・三・か・佐=各議員の頭文字 【○=賛成 ×=反対 退=退席 欠=欠席】 
    議案等に対する各議員の賛否についてはこちら(船橋市議会HP内PDF)