• 「ひとり親・低所得」の高校生支援
    学習場所や教材が自由に選べる制度を求める

     船橋市では「母子家庭等高等学校修学援助金」として、低所得のひとり親家庭(約600世帯)の高校生に月額9000円を支給していましたが、『行財政改革』により、2022年度(令和4年度)から支給を廃止しました。
     その代替え事業として2022年度(令和4年度)から実施されたのが、「高校生キャリア支援事業」です。低所得のひとり親家庭の高校生を対象に市内2ヶ所で集合型(教室)の学習支援と、アプリを使ったオンライン学習支援、セミナーを実施するものです。今年度の定員数は集合型60名、オンライン学習では130名でした。また、昨年の実績では対象者約1000世帯に対し、登録者数は集合型・オンライン学習ともに41名のみでした。
     さらにこの事業は、民間(2023・24年度はリクルート)に委託し、オンライン授業ではリクルートのアプリを使用します。特定の学習教材を使用しなくてはならないなど受講者も限定的でした。「母子家庭等高等学校修学援助金」の代替えとなる事業とは言えませんでした。
     今議会には、ひとり親世帯に加え生活保護世帯や就学援助相当の世帯にも対象を拡大し、来年度もこの内容で事業を継続するため、委託業者へ支払う債務負担行為が提案されました。
     日本共産党は11月22日、「委託業者の支援事業に限定するのではなく、受験の模試にも使えるような全ての対象者に行き渡る限定されない支援が必要」と指摘し、ひとり親家庭の高校修学援助金の復活を議案質疑で求めました。しかし船橋市は「事業の代替えとして高校生キャリア支援を始めた。来年度はその対象も拡大する」として、制度の復活を拒否しました。
     ひとり親世帯や低所得世帯でもそれぞれが学習しやすい場所や環境、教材が自由に選択できるよう、引き続き支援の充実を求めます。

    受験生を痴漢から守る

     来年の2月、千葉県の公立高校で入試が行われます。
     「遅刻のできない受験生は痴漢にあっても泣き寝入りをしてくれるので、痴漢はやりたい放題」などとSNS上で痴漢行為を煽るような書き込みが盛んに行われ、実際に制服姿の受験生を狙う卑劣なやからが毎年発生しています。
     受験生を守るために日本共産党は市議会において具体的な提案をいくつか行いました。
     ①加害を抑止する「痴漢は犯罪だ」と示したポスターや車内放送。 ②駅員や警官の見回り強化。 ③女性専用車両が無い新京成に対する設置要請。市はこれらについては対応すると答えました。これまで議会で日本共産党が何度も求めてきた女性専用車両について、今回初めて市は設置の必要性を認め、千葉県教育委員会から新京成に設置を要請するように、市教育委員会から県に申し入れるとの答弁でした。大きな前進です。
     今回新たに「たとえば8時15分の新津田沼発・松戸行き電車の先頭車両に保護者や学校関係者が見守り隊として乗り込むので、痴漢などが心配な生徒はそれに乗るように生徒に示してはどうか」と提案しました。いわゆるアクティブバイスタンダー(行動する傍観者)を市教委が組織して行ってはどうかということです。これに対して市教委は学校の人手不足を理由に却下しました。しかし保護者に協力を呼びかければ決して無理では無いはずです。
     また、痴漢や性犯罪の背景には女性や弱者への差別意識があります。その意識の解消にはジェンダー平等を教える包括的性教育が必要であることも日本共産党は指摘しました。
     「痴漢にあったショックで力を出し切れない」「痴漢が心配でより一層緊張した」という受験生をたった一人も出さない為に、日本共産党はさらに知恵と力を尽くします。

    12月議会が始まります

     11月15日から12月19日までの35日間の日程で、令和6年(2024年)第4回船橋市議会定例会が開会し、市長から今年度の補正予算を含めて議案14件などが提案されました。
     補正予算には、障害者の共同生活支援事業所や地域包括支援センター充実の為の補助、生活困窮世帯の高校生や中学生への支援、特別支援学級の設置準備費が含まれています。
     しかしながら、今回も物価高騰対策や家計を支える対策などは盛り込まれませんでした。議案の他にも市長から専決処分についての報告がありましたが、この中には学校給食の滞納者に対して、裁判に訴えて徴収するというものが含まれています。第1回定例会から第4回定例会までに、保護者を訴えた件数は9件。学校給食が無償であれば、市長が子育て世帯を裁判に訴えるような事態は起こりません。
     日本共産党からは、「中小企業への直接支援を強化し、全国一律で最低賃金時給1500円を実現するよう求める意見書」を提案しました。
     日本共産党の各議員の質問等の予定は、表のとおりです。ぜひ、議会傍聴にお越しください。(質問開始時間については、日本共産党控え室でお伝えしています。)

    2023(令和5)年度決算
    日本共産党は一般会計決算の認定に反対しました

     第3回定例会では2023年度決算を審査し、一般会計決算について日本共産党と無所属の議員1名が反対しましたが、賛成多数で認定されました。
     2023年度は、小中学校体育館へのエアコン整備に踏み切ったことや、3か月と限定的ではあっても「やらない」と市が言ってきた給食の無償化を実施したこと、子どもの医療費助成の対象を中学卒業年齢から高校卒業年齢まで拡大したことなど、市民要望の実現が部分的にされた点は評価しました。
     しかし全体としてみると、とても認定できる内容ではありませんでした。
     2023年度は、前年度の決算剰余金積立後の財源調整基金は過去最高額の306億1千万円だったにもかかわらず、この財政力が物価高騰で疲弊する市民生活に活かされませんでした。教育や福祉などの改善にこそ活かすことが求められていましたが、船橋市の物価高騰対策は政府から交付された交付金の枠内の事業だけでした。市は独自財源を活用した支援を行いませんでした。

    民間開発への肩入れより市民に向きあう政策を

     また、新たにつくった医療センター整備基金の54億円や、財源調整基金など、船橋市の基金の総額は419億9500万円から468億1600万円へと48億2100万円も増やしました。市としてできることをやらずに、基金という名で溜め込み金ばかりを増やしたのが2023年度だったわけです。
     しかも基金積み立ての他にもメディカルタウン関連では、東葉高速鉄道の新駅整備費2億6223万円、区画整理事業補助金15億7220万円(うち10億6033万円は翌年度繰り越し金に)などの支出が行われました。また病院事業会計ではメディカルタウン内の病院用地購入58億4223万円や設計など合計66億6391万円も支出しました。
     市民の困難には向き合わず、民間開発事業にばかり肩入れする船橋市は、自治体としての存在意義が問われるのではないでしょうか。

  • しのびよる下水道の民営化
    ウォーターPPP 船橋市が導入を検討

     船橋市は自公政権がすすめる公共事業の民営化という方針に則り、下水道へのウォーターPPP導入を検討しています。今年度中に方針を整理し、導入決定の場合は来年度から制度設計と事業者選定に向けた手続きをすすめ、2028年度から開始します。
     ウォーターPPPは、公共施設の運営権を民間企業に売却する「コンセッション」の呼び水となるもので、政府は導入から10年後に原則としてコンセッションに移行するよう自治体に促しています。全国に先駆けて下水道にコンセッションを導入した浜松市では、水ビジネスの世界大手ヴェオリア社の日本法人が受け手となり、自身の関連企業に何億円もの工事を随意契約で発注するなど、業務内容や税金の流れが不透明になっています。
     コンセッションの契約期間は、20年から30年と長いのが特徴です。自治体職員の見識やスキルも低下しかねず、災害時に下水道の管理運営・復旧について誰も責任を負えないという最悪の事態を招きかねません。多額の役員報酬や株式配当のために利用料が高騰するなど、問題の大きさから、海外では再公営化をする自治体が増えています。
     日本共産党は9月17日、市議会で問題点を指摘し、ウォーターPPPについて市の認識を質しました。下水道部長は「国が推進するため検討している。市の技術職員数や市内業者に与える影響とかを考慮し、現在、コンセッションの導入は考えていない」と答えました。しかしウォーターPPPにおいても民営化は相当進みます。
     船橋市が検討をすすめる背景には、2027年度以降に汚水管改築時に国の交付金を受けるには、前年度までにウォーターPPP導入を決定しなければならないという条件があります。昨年度は約1億円の交付金が付いていました。自治体を脅す手法は地方自治に反しますが、市も抗議する気はないと明言しています。
     来年は市長選です。国民の暮らしも人権も脅かす自公政権に、総選挙では厳しい審判が下りました。国言いなりの市政もまた、抜本的な転換が求められます。

    ちょっと待った!メディカルタウン構想看過できない3つの理由

     松戸徹市長が「メディカルタウン構想」と銘打って、推進役になっている「海老川上流地区土地区画整理事業」では、新たな問題がでてきています。

    建設費に歯止めが利かない?

     9月18日、船橋市立医療センター等建て替え工事一般競争入札が中止になりました。入札参加者である「フジタ・ティーエスケー特定建設工事共同企業体」より辞退届が提出され、入札参加者が不在となったためです。
     辞退の理由は、「検討の結果、いただきました与条件では本件の履行が困難であるため」として詳細は不明。しかし、設計どおりに工事をすすめれば、この金額ではできないということだと推測されます。事業費はすでに約723億円(市のHPより)で、基本計画時の437億円から大幅に増額。どこまで増額になるのかわかりません。

    治水の要「調整池」は大丈夫?

     この地域は、船橋市のハザードマップにも記載のある浸水想定地域であり、区域の大部分は軟弱地盤で液状化の危険があります。今年1月に行われた説明会では、洪水対策について実施時期が不確定の海老川調節池の暫定掘削や、調整池の排水はポンプで行うとしていますが、具体的な運用は県と協議中など、洪水対策は充分ではありません。
     しかも、医療センターへのアクセス道路沿いに建設予定の1号調整池は、液状化対策が行われていなかったことが判明して設計の見直しが行われ、工事が1年遅れました。工事事業者の液状化対策に対する認識が問われます。

    能登半島地震の教訓は?

     首都圏直下型の地震が発生した際、震度6弱の地震が船橋市を襲うという想定です。
     9月1日に放映されたNHKスペシャルでは、軟弱地盤の上に立つ建物は、地震の揺れが増幅し、震度が1から2段階ぐらい高くなること、能登半島地震では、それによって杭基礎が建物から引きちぎられるという事態が生じたことが紹介されました。
     この地域では、震度5強ぐらいの地震での液状化対策を行うと組合が決めています。建築物の安全性については、民間事業者次第。能登半島地震の教訓は、この事業では活かされないのではと危惧されます。

    米軍による性犯罪は他人事ではない

     自衛隊習志野駐屯地には2017年以降、米軍を中心とした外国軍兵士が計41日間、合計650名も宿泊滞在しています。形ばかりの身分証等を見せるだけで駐屯地から自由に外出でき、買い物帰りのショップバッグを持って歩く数名連れや、店内が彼らで満杯になっていたラーメン店なども目撃されています。防衛省によれば、駐屯地に戻る門限は22時半、飲酒も許されています。
     沖縄や在日米軍基地のある街では、基地の外での米兵らの犯罪が後を絶ちません。戦争という「人を殺す」訓練を日々行うことで犯罪に対する感覚が鈍くなることはもちろん、「日米地位協定」によって日本国内での米兵の犯罪が罪に問われにくいことを彼らがよく知っていることも、その要因だと言われています。それは習志野駐屯地に連続して複数日滞在している米兵においても同じです。
     日本共産党は9月12日、船橋市議会において「米兵らを滞在させない、もしくは外出させないよう国に要請してほしい」と求めましたが、「国の行うことだから船橋市からは何も言えない」と市は答えました。
     「せめて米兵らの滞在時には市民にそれを知らせてほしい」とも求めましたが、やはり「国がすべきもの」だから市は何もしないとの答弁でした。
     沖縄などでの米兵の性犯罪を日本政府は近年で13件も隠ぺいし、地元自治体にも伝えていませんでした。そんな国・政府を信用できますか、できませんよね。だからこそ、市民の安心安全を守るのは市の責任だと、日本共産党は強く求め続けていきます。

    医療にペナルティーや差別を持ち込む姿勢は直ちに改善を

     社会福祉法により、「経済的な理由で、必要な医療を受けられないことがないよう、無料または低額な料金で診療を提供すること」を定めているのが「無料低額診療」です。全国で無料低額診療を実施する医療機関・介護施設等が年々増えています。しかし、船橋市内で無料低額診療を実施しているのは3事業所(二和病院・ふたわ診療所・南

    医療センターでの「無料低額診療」実施求める

     社会福祉法により、「経済的な理由で、必要な医療を受けられないことがないよう、無料または低額な料金で診療を提供すること」を定めているのが「無料低額診療」です。全国で無料低額診療を実施する医療機関・介護施設等が年々増えています。しかし、船橋市内で無料低額診療を実施しているのは3事業所(二和病院・ふたわ診療所・南浜診療所)のみであり、この状況が13年変わっていません。日本共産党は医療センターでの実施を再三求めていますが、市側は「国が進める機能分担」を理由に実施を拒んでいます。公立病院である医療センターでこそ「無料低額診療」を実施すべきです。

  • マイナ保険証の作成は任意です
    「資格確認書」で、これまで通り

     薬局で「マイナ保険証でないと薬は出せない」と言われたり、現行の健康保険証の患者が診療順を後回しにされる事態が起きています。「保険証が廃止になったら、マイナンバーカードやマイナ保険証を作らないといけないのか」といった誤解が広がり、市民の不安が日本共産党に寄せられています。
     厚労省は、医療機関や薬局の窓口で「健康保険証をお持ちですか」に替えて「マイナ保険証をお持ちですか」「次回はマイナ保険証をお持ちください」と声をかけるよう促し、マイナ保険証の利用者が増えた医療機関や薬局に、見返りとして、利用者数の増加に応じ診療所や薬局に最大10万円、病院に最大20万円の一時金を出すことにしました。それでも利用率は今年5月時点で7・73%と4月比1・17ポイント増にとどまり、今度は一時金を20万、40万と倍に上げるなど、あの手この手を使い、善良なる市民をマイナ保険証へ誘導しようとしています。
     しかし、マイナンバーカードもマイナ保険証の作成も任意であって、強制されるものではないことを私たちはしっかり認識しておくことが重要です。
     現行の健康保険証は今年12月2日に廃止になります。しかし、その時点で発行済みの保険証は、有効期限まで使用できます。国民健康保険証の切り替えは8月1日ですから、来年の7月31日までは使用可能です(短期保険証を除く)。
     また、12月2日以降、マイナ保険証を持っていない人には、現行の保険証が期限切れとなる前に、 ※保険者から申請なしで『資格確認書』が交付されますので、引き続き医療機関の受診や薬局での薬の購入ができます。『資格確認書』の有効期限は、最長5年ですが、裁量は保険者に任されています。国民健康保険証を発行している船橋市では、これまで通り申請なしで有効期限1年の『資格確認書』が発行され、その後もまた申請なしで『資格確認書』が発行されます。
     マイナンバーカードの返却やマイナ保険証の解除も可能です。
     ご不明な点は、日本共産党にお問い合わせください。
    ※保険者‥保険料の納付を受け、健康保険事業を行うもののこと:船橋市や健康保険組合など

    保育アプリ「コドモン」 大丈夫?
    足りない保育士の代わりにはなりません

     船橋市は今年3月、公立保育園27園に保育アプリ「コドモン」を導入しました。コドモン社が提供するクラウドサービスで、保育の事務作業全般を補助する保育業務支援システムです。保育者はこのアプリを使って事務作業を行い、保護者もアプリを登録します。
     園児情報や出欠席管理、生活や成長の記録など様々な情報が「コドモン社」のクラウド上に蓄積され、これまでの連絡帳や業務日誌、指導案の作成がアプリを使って効率的になるといいます。
     一見、便利になりますが、問題はないのか決算認定の質疑で取り上げました。
     これまで公立保育園で記録された子どもの記録は個人情報として各園で保護されてきました。今後はこうした情報はコドモン社のクラウドに蓄積され管理されますが、もし漏洩すれば膨大な情報が流出します。
     また、利用規約を見ると「記録保管するお子様や施設運営等に関する情報を分析利用し、分析の結果得られた内容を当社ウェブサイト等や当社の販促物イベント等において児童の教育や育成にかかわる情報として公開する」とあり、企業活動に活用されることになっています。子どもの情報が同社の儲けに活用されることを保護者に説明し、合意を得ているのか質問しました。
     こども家庭部長は「個人情報保護法等に基づき適正に管理する」「保護者がアプリをインストールするとき利用規約に同意している」「保護者がアプリを使わず、従来通りでもかまわない」と事業者任せ、保護者任せの答弁です。
     さらにコドモン社の利用規約では、契約終了時、契約者はクラウドに蓄積されたデータが使えなくなります。これまでの保育や園児の成長記録などが園に残らなくなり、ひとたび契約すると契約解除できなくなる「ベンダーロックイン」という状況も危惧されます。船橋市は仕様書でデータは引継がれることになっていると答弁しましたが、同仕様書には「引継ぎの範囲は双方で協議し、誠意を持って対応する」と書かれ確実なものではありません。
     保育データをコドモンに持っていかれてしまったら、保育水準をこれまで通り確保できるのか心配です。船橋市がしっかりと保育データを引き継ぐ契約にするよう強く求めました。
     システムの導入は保育士の過重負担の軽減が意図されていますが、保育士一人が受け持つ子どもの数である「配置基準」を抜本的に改善することなくしては解決しません。保育士の増員こそ取り組むよう求めました。

    9月議会が始まります

     9月3日から37日間の日程で、2024年(令和6年)第3回船橋市議会定例会が開会します。
     市長からは、補正予算案や人事案件など11議案と、2023年度決算の認定議案10件などが提案されます。
     今回、市長から提案された補正予算は約1億円で、6月議会に引き続き、物価高騰や酷暑から市民の命と暮らしを守る予算は提案されませんでした。今回の補正予算成立後の財源調整基金残高は、約202億8千万円。財源は充分あります。税金の使い方が問われています。
     日本共産党からは、5つの意見書を提案します。

    1. 緊急避妊薬を全面的にOTC化し、必要とする全ての人のアクセスを保障するよう求める意見書
    2. 生活保護基準を大幅に引き上げ、猛暑から命を守るために夏季加算を新設するよう求める意見書
    3. 全ての生活保護世帯にエアコンを設置するよう求める意見書
    4. 子ども医療費の窓口負担促進を中止するよう求める意見書
    5. 新型コロナウイルス感染症対策の改善を求める意見書

     日本共産党議員の質疑日程は表の通りです。ぜひ傍聴にお越し下さい。

    高齢者の社会参加促す 福祉タクシー拡充を

     日本共産党船橋市議団は8月26日、在宅介護を行なっている市民とともに船橋市に対して、「福祉タクシー乗車券(要介護者等)」制度の改善を求める要望書を提出し、1時間ほど懇談しました。
     「福祉タクシー乗車券(要介護者等)」とは、市内在住で要支援2、または要介護1〜5の認定を受けている人が通院などで所定のタクシーを利用する際、船橋市が運賃の半額(上限1200円)を助成する制度です。要介護3〜5の人は福祉タクシー乗車券を無制限に利用できますが、要支援2や要介護1・2の人は年間12枚までの利用に限られています。
     要望書では、2018年から今年までにタクシー運賃の値上げが3回あったと訴え、▽助成上限額の引き上げ、▽要支援2〜要介護2の人に対する支給枚数の引き上げ、▽現物給付化などを求めました。

    地域経済の活性化と利用者目線での改善を

     市は理解を示しながらも、「利用者が増えており、予算上難しい。他市では障害者のみを対象とする中、本市は幅広くカバーしている」と難色を示しました。また「介護予防の観点で高齢者の社会参加を促すため、支給枚数の引き上げを」という訴えに対しては、「年間12枚を使い切らない人の割合が高い」と回答。参加者は「12枚の制限がプレッシャーになり得る」と指摘しました。
     現物給付化について、市は「事業者の負担になる」と答えたものの、タクシー協会や事業者に相談したことは無いと言います。また、「要支援1に切り替わったことに気づかず、誤ってタクシー乗車券を利用する方もいるため、現物給付化は難しい」とも答えましたが、そうしたケースは2%程度だと言います。
     この制度は1978年、重度障害者などを対象に開始され、国や県の補助が無い中、市民の声を受けて段階的に改善されてきました。高齢化社会の進展とともに、その拡充は地域経済の活性化にも繋がります。利用者目線の改善を、今後も求めていきます。

  • 物価高騰と熱中症から命守る船橋市に
    日本共産党市議団が要望書提出

     日本共産党船橋市議団は7月23日、船橋市に「物価高騰と熱中症から命を守る対策についての要望書」を提出しました。杉田副市長が応対し、「できるだけ早く回答する」と答えました。住民の命と暮らしを守る防波堤としての役割が強く求められます。
     現在の物価高騰は、アベノミクスの「異次元の金融緩和」による異常円安や、大企業の便乗値上げによる「強欲インフレ」がもたらした人災です。生活保護利用者などから困窮を訴える声が相次いでおり、政治が責任を果たすことは急務です。
     また、今年も酷暑が見込まれますが、エアコンの電気料金を抑えるために使用を控える事態の広がりも懸念されます。経済的理由でエアコンの設置・購入自体が困難な方も少なくありません。船橋市はクーリングシェルターを官民58ヶ所に開設しています(7月1日現在)が、そこへの交通費が負担できないとの声もあります。
    日本共産党市議団の要望書の概要は以下の通りです。

    • 市として独自に生活保護利用者や低所得者など支援が必要な方々を対象に、現金給付事業を行うこと。対象を世帯ではなく個人にすること
    • 生活保護利用者、低所得者などが省エネエアコンを自己負担なく購入・設置できるよう助成すること
    • 生活困窮者への食糧支援を、市が主体となり緊急に行うこと
    • クーリングシェルターについて、▽のぼり旗の設置で目立たせる、▽公民館の空き部屋や茶華道センターなどの活用、▽民間シェルターの増設とベンチ・給水機の設置、▽町会・自治会館の活用と市による経費負担、▽防災無線での周知
    • 生活困窮者を対象とした「くらしの相談会」開催
    • 中小零細事業者の固定費への支援
    • 国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険の各保険料に対する「物価高減免」
    • 税金や公的保険料などの滞納対策にあたり、生活を圧迫する分納の約束や差し押さえは行わないこと
    • 市立小・中・特別支援学校の給食費の完全無償化

    新湾岸道路計画で危惧される三番瀬の自然環境

     現在、国土交通省は市川市の外環道高谷ジャンクション周辺から、千葉市の蘇我インター周辺並びに市原インター周辺までの湾岸部に、多車線の自動車専用道路の新湾岸道路を整備する計画を進めています。すでに千葉県や船橋市など関係する自治体が参加した新湾岸道路検討会準備会が開催され、今後はルートや構造を検討するための有識者委員会を国土交通省が設置すると報道されています。
     新湾岸道路はルート上に三番瀬(船橋市地先の干潟)があり、三番瀬への影響は避けられません。自然保護団体が繰り返し、市や県に三番瀬の保全を要請しています。日本共産党も三番瀬の自然環境を新湾岸道路の建設で壊してはならないと議会でも繰り返し取り上げてきました。船橋市長は「三番瀬は次の世代に伝えていく大事な自然、最優先にする」と答弁し、関係する会議でも三番瀬の保全を主張してきました。現在、国土交通省の新湾岸道路の基本方針には「三番瀬再生計画との整合性を図る」が盛りこまれましたが、予断を許さない状況です。
     かつて第2湾岸道路の建設のため三番瀬の埋め立てが計画されましたが、住民の反対運動で中止させた経過があります。新湾岸道路は第2湾岸道路と同じルートです。豊かな自然環境の三番瀬を守り、次世代に手渡すためには市民の力が欠かせません。

    夏休み、三番瀬に行ってみませんか?

     干潟では無数のカニや、夏の鳥たちが迎えてくれます。写真はカムチャッカ半島などで繁殖して冬を三番瀬で過ごすミヤコドリのうち、若くて繁殖地に戻らず三番瀬で夏を過ごしているミヤコドリと、ウミネコ。これからコアジサシやダイゼン、メダイチドリ、キョウジョシギなどたくさんの鳥たちが集まってきます。

    「猛暑でもエアコンが使えない!!」
    緊急の物価高騰対策を!

     7月に入り、熱中症警戒アラートが出されています。命を守るためにエアコンをかけて熱中症を予防することが重要です。
     しかし、物価高騰の上に6月から電気代が上昇したこともあり、室内でのエアコンの使用を控える方が少なくありません。命に関わる事態であり、緊急の物価高騰対策が求められています。
     特に、生活保護世帯など低所得世帯には、病気や障がいのある方、高齢の方など、熱中症にかかりやすい「熱中症弱者」が多く、我慢にも限界があります。
     政府には、この夏をのりきる物価高騰対策が求められますが、当面の負担軽減策もなく無策です。
     通常国会終了時、岸田首相は記者会見で、酷暑乗り切り緊急支援策として、電気やガス料金の補助を今年の8月から3ヶ月間実施すること、ガソリン価格を抑えるための補助金も年内に限って継続すること、年金生活や低所得者を対象に行う重点支援地方交付金の拡充を通じた負担軽減策を行うことを表明しました。
     しかし、燃料代や負担軽減の効果が表れるのは、9月以降です。今、酷暑の中を耐えている低所得世帯には、何の支援もありません。

    物価高騰対策の補正予算を求める

     日本共産党には、何とかしてほしいとの切実な声が寄せられています。
     6月の船橋市議会・予算決算委員会の全体会では、日本共産党はこうした切実な市民の声を届け、市長に追加の補正予算を組み、対策をとるよう求めました。
     市長は、「市民の皆さんが生死に関わるような状態にあるとすれば、何らかの形で対応する必要があると言うふうに考えている。ただ、今の時点で補正をやるかやらないかと言う事は、考えて結論を出したいと思っている。」と答弁。やらないということではありませんでしたが、「生死に関わる状態」にならないと考えないというのでは、手遅れになりかねません。
     日本共産党は、引き続き、緊急の支援策を求めていきます。

    結婚新生活支援制度を
    結婚したい人にも、結婚した人にも

     今年度、船橋市は「結婚新生活支援事業」を実施しています。今年1月1日~来年3月末に婚姻または婚姻予定で、婚姻日における夫婦双方の年齢が29歳以下、かつ新婚夫婦の所得の合計額が500万円未満の場合、住居確保に係る費用の一部を最大30万円助成します。また、結婚と併せて住宅を建築・購入して親世帯と近居又は同居する場合に助成上限を拡大します。
     この制度は、国の地域少子化対策重点推進事業に基づく事業です。そのため、少子化対策を主な目的とすることと、婚姻届をもって婚姻の確認を取るという条件がつけられています。
     しかし物価高騰が厳しさを増していることもあり、多様性を認め、事業目的や利用対象者を増やしてほしいとの声が寄せられています。

    ふなばしパートナーシップ宣誓制度の利用者の場合

     国の制度要綱では「婚姻届をもって婚姻の確認を取ること」という条件になっています。しかしこれでは、「ふなばしパートナーシップ宣誓制度」で宣誓した、結婚と同様の関係にある同性カップルや事実婚の場合、対象になりません。 「誰もが互いの個性や価値観を理解・尊重し、自分らしく輝けるまち」の実現を目指した「宣誓制度」の趣旨に反します。
     日本共産党は、市長が結婚新生活支援制度を提案した当初から、この問題を指摘して改善を求めてきました。一日も早い、改善が必要です。

    すでに住宅を確保している方の場合

     また、制度の利用条件にもう一つ、「住宅に係る契約の前に申請する」ことが定められています。国の制度要綱には事前申請は含まれておらず、市独自の運用規定です。そのため婚姻の対象期間であっても4月1日の事前届出の開始以降の契約でないと対象外となるのです。 市のホームページなどでも、住宅の取得、貸借、リフォームの契約済みの方は対象外となっています。
     6月までの実績で、事後届出のために利用できなかった方は、相談も含めて、22件のうち7件と、3分の1にもなります。 開始から2ヶ月間でこうした状況です。今後も同様のケースが増え続けると考えられます。
     船橋市は、「この制度は、結婚したい人が結婚に踏み切れるよう応援する制度」と述べています。結婚後の新生活で苦労をしている方は応援しない、ということです。 是正を求めましたが、「今後、状況を見ながら検討する」とのことでした。
     日本共産党は、事前申請でなくても遡って支給が適用されるよう求めていきます。

  • 金権腐敗の自民党とスクラム組む松戸徹市長
    地方自治の破壊にも批判なし

     日本共産党は6月7日の市議会で、国が地方自治体に指示ができる「指示権」を新たに導入する改定地方自治法と、金権腐敗政治の温床である企業・団体献金について、松戸徹市長の認識を質しました。
     改定地方自治法における国の「指示権」には限定がなく、「重大な事態が発生する恐れ」がある場合も発動可能で、恣意的な運用が懸念されます。憲法が保障する地方自治を根本から破壊する暴挙です。しかし、市長は「地方自治法改定は必要」と明言しました。
     共産党の「自治体を国に従属させ、戦争に市の職員を動員することも可能にするという認識はあるか」「各地の首長のように国に意見すべきだ」という質問に対しても、松戸市長は「従属させることに即つながらない」「推移を見守る」と答弁し、国言いなりの姿勢を示しました。
     また、自民党派閥の裏金事件を受けたこの間の報道各社の世論調査では、企業・団体献金を禁止すべきという声が多数です。共産党は松戸市長に対し、「政治家として、政治資金パーティーを含めた企業・団体献金の廃止をするのか、存続をするのか、どちらの立場か」と質しました。
     市長は企業・団体献金は「法の中でしっかりとした運用が必要」と述べ、事実上肯定しました。政治とカネが国政を揺るがす大問題となる中で、市長の政治姿勢が問われます。さらに「企業・団体献金についての評価はしないが、私に関連する政治団体に対しては、団体からの献金はない」と話をすりかえ、再質問に対しても同様でした。共産党が「では、なぜ自民党に献金が集中するのか」と尋ねると、議場が騒然。「質問をやめさせろ」などの野次が飛び交いましたが、市長の政治姿勢は市政全般に影響を及ぼすものです。
     登壇した市長は「日本の政治はいろんな形で資金を確保している」などと他人事のような答弁に終始し、金権腐敗の自民党とスクラムを組む姿が鮮明になりました。
     来年は市長選挙です。古い自民党政治を一掃し、新しい希望ある市政の実現に向けて、引き続き取り組みます。

    震災時のデマ、 関東大震災時の
    船橋市で起きた朝鮮人虐殺事件を語りつぐ

     能登半島地震で、「外国人が犯罪を犯している」とのデマが広がったという報道がありました。流言飛語によって、朝鮮人らを多数虐殺してしまった関東大震災時の事件を彷彿とさせ、歴史を風化させてはならないことを示しました。
     関東大震災時、「朝鮮人が暴動を起こす」などの流言が広がり、住民の組織した自警団や警察・軍隊によって、多くの朝鮮人や中国人が殺害される事件が起こりました。とりわけ船橋市はその事件が多発したところです。


     表は千葉県が発行する『千葉県の歴史』に掲載されている関東大震災時に船橋市内で起きたこれらのことは朝鮮人殺害事件です。
     この他、習志野騎兵第14連隊、15連隊による虐殺事件も起きています。
     船橋市で多くの朝鮮人が殺害されたのは、北総鉄道(現在の東武野田線)敷設のために朝鮮人労働者が近隣の飯場に多数居住していたからです。しかも、現在の行田団地の所にあった海軍無線電信場船橋送信所が、「朝鮮人が暴動を起こす」などのデマを送信したり、同送信所に朝鮮人が攻めてくると恐れ、地元の住民に武器を渡し、警戒を命じ、朝鮮人を殺してもよいと言っていたことが記録されています。デマと朝鮮人等への差別が生んだ事件でした。
     市が発行する『船橋市の歴史』や『船橋市のあゆみ』等には記録されていますが、あまり知られていないのではないでしょうか。誤まちを繰り返さず、平和と人権を守るために、船橋市が事件を歴史の教訓として語り継いでいくことを議会で求めました。
     市長から「平和な社会、世界をつくっていくうえで、世界でも船橋市も起こったことを歴史の資料としてしっかりとどめておく。何かの折に伝えていくことが、非常に大事だと思う。いろんな機会に共有できるようなものを、意識しながら取り組んでいくことは非常に大切。市として今後十分留意して取り組んでいきたい」との答弁がありました。

    地元生徒の大切な受け皿
    県立高校の統廃合は中止を

     千葉県教育委員会は、中学生の減少を理由に2001年に「県立高校統廃合計画案」を公表し、その後3期にわたって県立高校の統廃合を進めてきました。
     2022年に「実施プログラム」を決定、2024年5月8日には統廃合の対象校名(7校)をあげて「地域フォーラム」開催を公表しました。
     「地域フォーラム」の目的は、「対象校において、地域における今後の学校のあり方を学校関係者等から聴取する」とされています。しかし、「地域フォーラム」に参加できるのは限られた関係者のみです。
     対象校のうち、3校(豊富高校・船橋北高校・八千代西)は船橋市北部の2校と隣接する八千代西で地域が集中しています。豊富・船橋北高校ともに、近隣中学校はもちろん、市内の中学校からの生徒の受け皿として大きな役割を果たしている高校です。
     今議会、「市内の生徒への影響」について質問しましたが、市教育委員会からは「県からはハッキリと高校名は聞いていない」「今後のスケジュールも聞いていない」「憶測で動くことは控える」「中学校からの聞き取りはしていない」と、まるで「県立高校のことは市には関係ありません」と思えるような答弁しか返って来ませんでした。
     豊富高校の生徒さんからは、「少人数だから、質問もしやすい」「質問に対し丁寧に教えてもらえる」「静かで授業に集中できる」との声を聞いています。
     船橋市は、千葉県教育委員会に対し少人数学級を実践している県立高校の存続と、「地域フォーラム」の情報を市民に公表することを求めるべきです。さらに船橋市として市民の誰もが参加できる場を設定し、市民の声を県にあげるべきです。

    習志野基地は市街戦の訓練地なのか!?

     
    自衛隊がパラシュート降下訓練を行う演習場は全国にいくつもありますが、習志野演習場は他に比べて桁違いに狭いため(表参照)、誤って演習場外に落下してしまう事故が何度も起きています(この10年間では4度も)。演習場の周囲は住宅地なので、その場外への落下では民家の屋根を破損したこともあります。
     習志野駐屯地は演習場よりももっと狭く(図参照)、降下などぜったいに実施してはなりません。ところが昨年と今年の春に降下が行われていたことが日本共産党の調べで発覚しました。しかも、その事実を市は知りませんでした。
     「周辺の住民を危険にさらしながら、この狭い習志野演習場で降下訓練を行う必要があるのか。その理由を市は国に聞いたことがあるのか。街中での戦闘、市街戦の訓練のために、あえて習志野演習場を使っているのではないか」と市議会で質しましたが、市は「理由を聞いたことはなく、国のやることだから何も言えない」旨の答弁をしました。
     「国の安全保障政策の為ならば、自衛隊基地のある街の住民は危険や騒音を我慢しろ」という考えはまさに軍国主義です。市民を巻き込む戦闘の訓練を自衛隊が行っているのならば、その中止を国に求めるのが市の責務です。
     外国との武力衝突が万一起これば、基地周辺の住民は真っ先に犠牲になります。戦争の準備をする国への協力を拒む権利が地方自治体にはあります。船橋市は市民を守るために、まずは習志野基地でのパラシュート降下をやめるよう、国にしっかりと申し入れるべきです。

  • 財源調整基金は193億円もあるのに
    市民への市独自の物価高騰対策なし

     今議会には、市長から約60億円の補正予算が提案されましたが、このうち約46億円は、岸田政権が実施する「定額減税(所得税で3万円、住民税で1万円)」の調整給付金です。
     つまり、補正予算のほとんどが国の物価高騰対策を補うためで、市として独自の物価高騰対策はない、という中身です。
     本来であれば、市は193億円と、余裕のある財源調整基金を活用して、市としての負担軽減対策を行うべきです。
     一方、市民生活においては、実質賃金が前年同月比より24ヶ月連続で減少し、リーマンショックの時を超えました。
     民間調査機関によると、5月の食品値上げは417品目にのぼります。 電気・ガスの負担軽減策も5月に終了し、市民生活を圧迫しています。定額減税が始まったものの、準備期間が短く制度が複雑なため、中小企業や地方自治体の事務には大変な負担となっています。
     今回の補正予算だけでは、物価高騰対策として、焼け石に水です。

    期間限定で、無くなったら終了
    早い者勝ち?の ヘルメット補助事業

     千葉県が実施する自転車乗用ヘルメットの着用促進事業が、船橋市でもようやく提案されました(補助額は1人1個あたり2千円)。ただ、補助対象となるヘルメットは、今年7月1日以降に購入したもので、補助金の申請受付期間は9月2日から来年の1月31日までです。補助件数は8000件で、市はこの件数に達した時点で制度を終了するとしています。
     4月から自転車通学が始まるなど、新たに購入する機会の増える2月以降は対象外です。 
     市は「ヘルメットの着用促進が目的」であるとしましたが、短期間の実施で県の補助金がなくなった時点で終了という、まるで早い者勝ちのような補助制度で、着用促進の規模としては非常にお粗末です。
     ヘルメット購入費への補助は、交通安全対策だけでなく、物価高騰対策の一助にもなります。せめて来年の3月まで実施して、県の補助金がなくても市の事業として続けるよう、引き続き求めていきます。

    公民館の政治利用を規制?『広報ふなばし』

     5月、船橋市が月2回発行する「広報ふなばし」に、公民館の政治利用を規制するような文章が掲載されました。社会教育法は、公民館が特定の政党の利害に関する事業を行うことなどを禁止していますが、利用者の行為については禁止していません。
     当該文章は5月1日号の1面「~地域で集い学びつながる~そうだ!公民館へ行こう!」という特集記事の最後にある、「営利行為や政治・宗教等に関する活動の場合は使用できません」というものです。仮にこの通りなら、議員による議会報告会や九条の会の集会など、政治に関わる市民活動が規制されかねません。
     自民党政治のもと、日本学術会議の会員任命拒否や秘密保護法、土地利用規制法の強行など、国民の思想信条・表現の自由を抑圧する政治が横行しています。船橋市は、憲法に則った行政のあり方を貫くべきです。

    社会教育法
    第23条 公民館は、次の行為を行つてはならない。
    一 もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。
    二 特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。
    2 市町村の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、又は特定の教派、宗派若しくは教団を支援してはならない。
    無料法律相談 7月17日(水)/8月7日(水)
    船橋市中央公民館

    6月議会が始まります

     5月27日から6月28日までの33日間の日程で、2024(令和6)年第2回船橋市議会定例会が開会します。
     市長からは、避難所備蓄品の新規・拡充や、自転車乗車用ヘルメットへの補助を含む補正予算など、議案12案が提案されました。デフレ脱却に向けた一時的な措置として岸田内閣が閣議決定した定額減税で、減税しきれない方を対象に調整給付金が支給されます。
     日本共産党からは、5件の国への意見書(発議案)を提出しました。
    ◎地方自治法改定案の廃案を求める意見書
    ◎次期戦闘機の第三国輸出を撤回し、「武器輸出三原則」の立場に戻るよう求める意見書
    ◎離婚後共同親権の拙速な導入を中止し、ひとり親支援の総合的な施策を拡充するよう求める意見書
    ◎政治資金パーティー裏金事件の真相究明を求める意見書
    ◎危険な「こども誰でも通園制度」撤回を求める意見書
     日本共産党議員の質疑日程は表の通りです。ぜひ傍聴にお越し下さい。
     日本共産党は、引き続き、力を尽くします。

    日本共産党千葉県地方議員団 千葉県へ要望書提出

     5月17日、日本共産党の千葉県地方議員団が「国民健康保険」と「教育」に関する対県要請を行いました。 
     今年度は千葉県の多くの自治体で国保料の引き上げが実施されますが、船橋市でも、国保加入者一人当たり年間平均7500円の引き上げとなります。
     参加した議員からは、「滞納世帯には(家宅)捜索が実施された例もある」(市川市)、「差し押え物件がなければ、親戚・縁者から借りてでも保険料を払えと言われた」(八街市)など、非道な職員の対応状況も語られました。これに対し県は、「自治体に適正な対応を指導する」と回答しただけでした。
     千葉県が自治体に求める一般会計からの法定外繰入解消は、市民の保険料(税)の負担増に直結します。日本共産党は「法定外繰入解消の中止」や「全国知事会が求めていた1兆円の国庫負担の実現を国に求めること」「国に対し、18歳以下の均等割の全額免除を要請すること」について求めましたが、県は「それは国の方針」「国の責任で」などと繰り返すばかりでした。
     今後も「国民健康保険」改善のために全力で取り組みます。

    時代に逆行する40人学級 撤回せよ

     県地方議員団が提出した「千葉県の教育行政に関する要望」をもとに、県教育委員会と懇談しました。昨年度の教員未配置は過去最多を更新し、「学級や教科担任の先生がいない」状況が広がり、子どもの学習権が脅かされています。
     要望項目では、▽教員採用試験の募集人員の大幅増▽講師の給与水準を正規教員と同等にすること▽学校給食無償化▽スクールカウンセラー・スクールサポートスタッフ・特別支援員・教育支援員の全学校への常勤配置▽高校統廃合の撤回▽特別支援学校の新・増設▽施設整備費の抜本増などを盛り込みました。
     35人学級はすでに小1~小4までで実施されていますが、今年度からは小5も加わりました。しかし千葉県が今春、小5以下で40人学級も可とする通知を市町村教委あてに出したことにより、現場から怒りと不安の声が出ています。通知の撤回を求めると、県教委は「例外的に教育的配慮で必要ならば40人学級も認めるもの。教員未配置の学校でやってはいけないと各学校に頼んでいる」と答えました。しかし年度途中で未配置が出た場合、通知を根拠に40人学級とすることもあり得ます。少人数学級を台無しにする動きは、ただちに撤回すべきです。

    無料法律相談 6月12日(水)/7月17日(水)
    船橋市中央公民館
  • 第95回メーデー・第68回船橋地区統一メーデーに参加
    大軍拡・大増税NO! 私たちの税金は私たちの暮らしに

     5月1日、船橋天沼公園で第95回メーデー・第68回船橋地区統一メーデーが開催されました。あいにくの雨のため、デモ行進は中止となりましたが、集会参加者からは、「政治を変えよう!」という、力強い発言が相次ぎました。
     集会では、農民連、新日本婦人の会、船橋二和病院、九条の会などが来賓としてあいさつし、特別企画の「飛び入りトーク」では、教育現場や若者、年金生活者、建設労働者、メディカルタウン構想の状況など、様々な分野での深刻な実態が紹介されました。
     日本共産党の丸山慎一千葉県議会議員と、船橋市議団の岩井友子・金沢和子・松崎さち・神子そよ子・かなみつ理恵の5人、そして、次期衆議院選挙に挑戦予定の坂井ようすけ前市議も参加しました。
     4月28日投開票の3つの衆議院議員補欠選挙(東京15区、島根1区、長崎3区)では、自民党とその補完勢力への不信任が示されています。こうした結果を生み出すことができたのは、市民と野党の共同の力です。「みんなが幸せになれる社会をつくりたいという願いで一致する『市民と野党』が力を合わせることが必要です」とのメーデー宣言が採択されました。
     日本共産党は、引き続き、力を尽くします。

     

    ちょっと待って共同親権

     今国会で改悪が狙われている「悪法」の一つが「離婚後共同親権」です。現在の日本の法律では婚姻中の夫婦は子どもの親権を共同でもっていますが、離婚後はどちらかだけが親権をもちます。それを婚姻中と同様に母と父の双方がもてるようにするのが「離婚後共同親権」です。
     一見、この法改定は良いことのように思われますが、DV夫に苦しめられている女性や、その人たちに寄り添ってきた弁護士たちを中心に多くの反対の声があがっています。法改定に反対するインターネット署名は、23万筆を超えています。(5月8日現在)
     その反対理由の一つは、共同親権になれば子どもの日々の養育に関すること(進学、入園、入院、引っ越し等)で、別れたDV夫に連絡を取る必要が出てくることです。DV夫に居場所を知られれば身の危険があり、二度と連絡を取りたくない場合も例外ではありません。「この元夫に共同親権を与えることは適当でない」と裁判所が確実に判断してくれる保証もありません。
     「離婚後共同親権になれば、養育費をきちんと払ってもらえるようになる」は誤解です。共同親権になっても養育費を強制的に取り立てることはできません。
     また、「海外では離婚後共同親権が一般的で、日本もそうなるべきだ」と主張する人もいますが、それも違います。海外では共同親権であることでDV元夫や虐待親に会わざるをえず、そのために命を落とす事例があることから、むしろ単独親権の方がよい、との流れもあります。
     また、子どもの意見・考えをきちんと聞く法律でなければなりませんが、この法案にはそれが欠けています。「共同親権を拙速に決めないで、十分に議論を尽くしてほしい」と街頭で訴える市民グループが船橋市で立ち上がり、全国にも影響を与えています。「国民的合意のないまま、一部の強力な推進派の声におされて拙速に法改定をしてはならない」と、日本共産党も強く訴えています。

    無料法律相談 5月15日(水)/6月12日(水)
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    必要なら、いくらでも出す?区画整理事業に、制限なし!

     ㈱フジタなど民間が進める海老川上流地区開発を支援する、船橋市の「メディカルタウン構想」には、私たちの税金から、1032億円が支出されます。
     船橋市のホームページでは、国からの補助金や交付金、医療センター会計の負担額が除かれた金額が記載されていますが、いずれも、私たちの税金です。利子を含んだ合計額は、表の通りです。
     しかも、当初の市の支出予定額は、
    ●事業区域内に移転建替え予定の医療センター437億円
    ●区画整理事業で43億円
    ●事業区域内にある東葉高速鉄道の新駅建設に50億円
    でした。
     金額の大幅な増額で財政に影響がでれば、福祉の削減や市の施設使用料・国民健康保険料のさらなる値上げなどが予測されます。日本共産党は、事業の中止を含めた見直しを求めましたが、市は「必要な事業だから予算化した。後年度の影響や全体のバランスは考える」として、金額の見直しなどは行わないと表明。
     無謀な財政支出のツケを、市民に負わせることは許されません。市の責任が問われています。

     
    想定震度は震度6なのに、区域内は震度5強で対策

     海老川上流地区は大半が湿地帯で、液状化対策は欠かせません。事業者は、宅地の部分で必要なところは震度5強に対応するとしています。
     しかし、船橋市が想定する千葉県北西部直下型地震は、マグニチュード7・3、震度6弱または6強です。想定する震度より弱く、しかも、宅地に限定する対策では不十分です。能登半島地震のように、液状化で道路や下水道が破損すれば、復旧に大変な時間と労力が必要です。
     市民の命や暮らしを守るために、今からでも、事業の中止を含めた見直しの英断を行うべきです。

    なぜ市議会は否決?「パレスチナ・ガザ地区の人道的休戦を求める決議案」

     昨年10月7日から始まったイスラエルによるガザへの攻撃が続き、3万人を超える人々が死亡、人道支援が途絶えて子どもたちが餓死する状況に、世界中が心を痛めています。ガザの人々の命を守り、人質の解放をすすめることが急務です。
     船橋市議会では「ガザ地区での攻撃をやめさせたい」と願う市民の声をしっかり受け止めて、市議会として意見表明をしようと、日本共産党と無所属の議員で「パレスチナ自治区ガザ地区における即時かつ持続的な人道的休戦を求める決議」を提案しました。
     付託された総務委員会では賛成多数となりましたが、3月22日の最終日の本会議では反対多数で否決されました。
     賛成討論の「平和都市宣言を行っている市の議会としてこれ以上犠牲を生じないよう、このような見解を表明することは大切」(無所属)、「時間の経過とともに被害の広がりが深刻になっており、人道上の大惨事を起こさせないためにも、世界中で声を上げ当事者に働きかけ続けるため、本市議会からも意見表明すべき」(日本共産党)、「国連総会で人道目的の即時停戦決議が採択され、日本政府も賛成したが、悲惨な紛争が繰り返されている。本市議会も即時休戦を求める意思表示をすることは重要」(飛翔)に対し、反対の立場で「現在の状況は極めて憂慮すべき事態だ。しかし国連パレスチナ難民救済事業機関の関係者が10月7日のイスラエル襲撃事件に関与した疑いがあるため、多くの国が支援を見合わせている。その疑惑究明と支援の再開を求めるが、発議案にその記載がない」(公明党)との討論が行われました。
     なぜ反対するのか、討論からは理解できませんでした。反対した議員のみなさんは〝ガザの市民のいのちを守りたい〟市民の願いにどう応えるのでしょうか。

    賛成 市民民主(中谷あやの、三橋さぶろう、高橋けんたろう、岡田とおる、池沢みちよ、朝倉幹晴、つまがり俊明、川井洋基、浦田秀夫、神田廣栄、斉藤誠)、日本共産党(かなみつ理恵、神子そよ子、松崎さち、金沢和子、岩井友子)、飛翔(今仲きいこ、齊藤和夫、大沢ひろゆき)、無所属(はまの太郎、三宅けいこ、かいさち) 22人
    反対 公明党(葛生正文、草場智泉、上田美穂、鈴木心一、桜井信明、木村修、松橋浩嗣、橋本和子、松嵜裕次、鈴木いくお)、結(青木はるか、市川たけし、林としのり、藤代清七郎、小平奈緒、いとう紀子、浅野賢也)、清風会(島田たいぞう、杉川浩、七戸俊治、滝口宏、鈴木和美)、市政会(米原まさと、日色健人、滝口一馬)無所属(佐々木克敏)26人
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  • 船橋市の震災対策の改善を!

     能登半島地震から3か月。本市の震災対策を日本共産党は3月議会で取り上げました。東日本大震災の後、船橋市は地震の被害想定を見直し(2018年)、地震防災戦略を策定しています。千葉県北西部直下地震(マグニチュード7・3)を想定したもので以下、主な内容です。
    〇住宅等の耐震化率89%を95%に
    〇家具の転倒防止対策や各種落下物対策の推進
    〇消防・防災訓練参加率向上による初期消火率の向上
    〇感震ブレーカーの設置促進
     また、市内24地区ごとに『地区別防災カルテ』がつくられました。
     『地区別防災カルテ』は地震の揺れや火災の被害の度合いが色分けされた地図と、地域課題など市民の防災対策に活かすべき重要な情報が記載されています。
     ところが、これは水害のハザードマップの様に全世帯に配布されず、市ホームページの記載も分かりづらく活かされているとは言えない状況です。また、この『カルテ』の積極的な周知を求めたところ、市は「ホームページ等で検索しやすい工夫をしたい。広報ふなばしで紹介していきたい」と答えました。
     減災対策の取り組み状況は、「住宅の耐震化率が平成29年度89%から令和2年度93%に、防災訓練の参加者数ピーク時8800人から令和5年度4656人に、感震ブレーカーの設置数20・1%から19・7%、転倒防止対策は未掌握」「転倒防止金具の設置補助については全国の中核市を調査中」という答弁がありました。
     また、避難所の備品の食料はクラッカー、アルファー米と水が備蓄されていますが、湯を沸かすカセットコンロややかん、どんぶり、箸スプーンなど温かいものをとるための備品がなく改善を求めたところ、「災害時に必要となる備蓄品の新規拡充は検討したい」との答弁でした。

     

     

    低所得者ほど負担重い介護保険料
    国庫負担増と一般財源投入で引き上げ撤回を

     船橋市議会は3月22日、今年度から3年間の65歳以上の高齢者の介護保険料引き上げについて、自民・公明・民主などの賛成多数で可決しました。日本共産党5名と無所属2名が反対し、民主の1名が採決時に退席しました。
     保険料の基準額(第5段階)は、月額5400円から6600円に上昇します。影響額は3年間で69億円、物価高騰に苦しむ市民へのさらなる打撃です。
     介護報酬の連続削減、1割負担の利用料の2割・3割への引き上げなど、改悪が連打されてきました。
     一方でサービスの利用が増えたり、介護職の労働条件を改善したりすれば、ただちに保険料・利用料の負担増に跳ね返ります。船橋市の保険料基準額も当初2850円でしたが、今や2倍超です。その負担割合は低所得者ほど重く、第5〜7段階では所得の1割にもなります(グラフ参照)。
     保険料の高騰を抑えながら制度を充実させるには、公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。日本共産党は、介護保険の国庫負担割合をただちに10%引き上げ、将来的に国庫負担50%(公費負担75%)に引き上げることを提案しています。財源は消費税ではなく、①富裕層や大企業への優遇を改める税制改革、②国民の所得を増やす経済改革で確保します。
     共産党は3月15日の船橋市議会予算決算委員会でそれを紹介し、国に数字を挙げて具体的な改革を求めること、当面は市の一般財源を投入して保険料を据え置くことを求めました。
     市は「一般財源の投入は不適当だと国が述べている」と回答しました。しかし介護保険法令上は、一般財源の投入を禁じる規定や制裁措置はありません。
     海老川上流地区開発に巨額の市費を投じながら、市民生活に冷淡な市長の姿勢は許されません。いのちと暮らし第一の市政に転換が必要です。

    無料法律相談 4月18日(木)/5月15日(水)
    船橋市中央公民館

    物価高騰で厳しい暮らしに追い打ち
    国民健康保険料の引き上げストップを

     船橋市議会は国民健康保険料の引き上げを賛成多数で可決しました。1人あたり均等割を6740円、所得割を0・52%引き上げます。
     国と千葉県は、国保料上昇を抑えるための市町村による一般会計からの独自繰入をなくせと圧力を強めています。そのため船橋市は2年ごとに保険料を引き上げてきました。さらに県は2030年度までに市町村の独自繰入を解消することを目標化。このままではさらに国保料の大幅引き上げは必至です。
     千葉県商工団体連合会の「中小業者の営業とくらし」実態調査では、国保料の滞納がない人のうち6割は「無理して支払っている」と回答。このうち「生活費を削っている」人が5割、「事業の経費を削っている」人が2割に上ります。
     国保料引き上げを審議した2月2日の船橋市国民健康保険運営協議会では、委員から「加入者は低所得者が多い現状も踏まえるべき」「生活が大変な方たちに、市の財政も大変なのでと言って良いものか」などの意見が出され、2名の委員が引き上げに反対しました。
     日本共産党は2月27日の本会議で「独自繰入の解消は法的な義務ではない、引き上げは市民の生存権を脅かしかねない」と市を質しました。市長は「市民生活に大きな影響があることは十分認識しているが、引き上げるしかない。国に財政措置を求め続ける」と答えました。
     物価高騰で厳しい暮らしに追い打ちをかけることは許されません。自公政権の転換とともに、引き上げストップの声と住民運動を広げることが重要です。

     

    運動公園2つ分の農地が減少
    農地保全のための緊急対策を!

     農地は農業生産の基盤であるだけではなく、環境、景観、防災など、多岐にわたる機能があって、近年その重要性はますます高まっています。
     昨年11月に公表された「船橋市農業振興計画(以下、「農業振興計画」)」の中間年度振り返りでは、2014年に726ヘクタールだった優良農地(営農に適した農地のこと)が、2022年692ヘクタールとなり、34ヘクタールも減少していました。夏見の運動公園(19ヘクタール)2つ分程度の農地が失われてしまったことになります。
     農業振興計画では、農地の減少を毎年3ヘクタールに抑える目標で、達成していれば702ヘクタールでした。目標を上回るペースで減少する農地の保全について、市の対策を質しました。

    営農ができない理由は何か

     船橋市は、農地の減少理由を「個人の資産形成や相続のために売却せざるを得ない状況になっている」と述べ、その対策は「農家が営農をしていくために必要な農業所得の安定、かかった経費に見合う適正価格での取引が必要かと思うので、どういう支援になるか研究検討する」としか答えませんでした。これでは、急激な農地の減少に対応できません。
     農家の営農が困難になっている最も大きな原因は、国の農業政策です。半世紀以上もの間、農産物の自由化をすすめる一方で、農産物の価格政策を放棄し、農家の販売収入が生産コストを大幅に下回る事態の常態化を放置してきました。経営支援政策も極めて貧弱で、農業経営の安定は自己責任とされてきました。
     さらに今国会には食料自給率の向上を目標からはずす「食料農業農村基本法」の改定が提案されました。輸入の強化と食料確保が困難な場合は、政府が芋などの作付けを強制できるというひどい内容です。
     農地と農業を守ることは、これまで以上に市の重要な役割です。生産への支援や価格保証、公設の直売所の設置を求めました。市長は、「公設の直売所は1つのアイデア。農家の若手のやる気がなくならない環境づくりと、単なる産業ではなくて町の魅力にする」と答弁しました。
     農家が営農を続けるために、農産物の販路を増やして安定的な収入を確保することと、生産コストの負担軽減策の実施は、農家の切実な要望です。「農業振興計画」の最終報告までにどのぐらい農地が保全されてるのか、船橋市の本気が問われています。

    無料法律相談 4月18日(木)/5月15日(水)
    船橋市中央公民館
  • 無料の生理用品の配置決定!

     「生理のある人の4人に1人が生活苦などを理由に生理用品の入手に困っている」というアンケート結果が発表されたのが2021年の春先でした。「生理の貧困」と呼ばれ社会問題になりました。船橋市でも災害備蓄品の生理用品で、期限切れになって廃棄予定のものを無料で配布をしましたが、市立船橋高校を除き、他の自治体が行っているような公民館等の公的施設のトイレへの常時配置をしていませんでした。
     3月議会で、「公的施設のトイレへの無料生理用品の常時配置は全国の多くの自治体で実施。何よりも習志野市などの近隣自治体でも数年前から行われている。船橋市でも早く行うべきだ」と質したところ、「すでに配置している市立船橋高校以外の市立学校にはこの4月から、公民館などには試行配置後に本格配置を進めていく」との嬉しい答弁がありました。新日本婦人の会をはじめ市民の皆さんが声を上げてくださっていた成果です。
     これまでは学校で生理用ナプキンが必要になった児童生徒は先生に頼まなければなりませんでしたが、子どもたちの精神的負担を考えれば、今回の「非対面」で受け取れる配置は当然の決定です。早ければ3月には市立小中に配置されるとのことです。ただ、今回は「校内に1カ所以上配置する」との決定ですから、実際には1カ所にしか置かれない学校がほとんどではないかと危惧されます。今後は校内の全女子トイレと多目的トイレの全個室内に置かれるように要望を続けましょう。
     また議会質疑では、「貧困対策のみならず、女性蔑視の根幹にある『生理は穢れ』という誤った考えを消すためにも、生理や生理のある人を尊重する『生理の尊厳』を社会に広めていく必要がある。市はそれにも取り組む必要がある」ことも指摘しました

     

    「タイムシェア」は見直しを!!
    時間貸しの特別教室では安全性・保育の質は守れない

     2023年12月、厚生労働省が同年5月時点の学童保育待機児童数ランキングを公表しました。その結果、待機児童数338人で、船橋市が全国でワースト1位という重大事態となりました。市は、何とかその汚名を返上しようと、「放課後ルーム待機児童解消プラン」を公表しました。しかし、その中身は現状をさらに悪化させるものです。

    とにかく定員をふやすだけ

     学校の特別教室を放課後数時間、放課後ルームに時間貸し(タイムシェア)し、放課後ルームの専用区画ではないところをルームの使用区画として、一人あたりの基準面積で割返し、定員数を増やすことにしました。
     現場の職員(支援員や補助員)からは、児童の安全や保育の質の低下を懸念する声が多く上がっています。「タイムシェアなどではなく、施設を増設してでも、放課後の子どもの生活の場である専用ルームを確保するべき」と、船橋市を追求しましたが、「校内には空き教室もない」「校庭は狭くなってしまうので無理」などを理由に、あくまでもタイムシェアを強行し、定員数を増やす姿勢です。

    深刻な職員不足

     また、現在開所している104ルームのうち、職員が定員に達しているルームは9ルームしかなく、支援員と補助員合わせて159人が欠員となっていることも明らかになりました。専門的な知識や経験・技能が求められるルームの職員は、所長以外、すべてが会計年度任用職員です。慢性的な人員不足解消には、職員の処遇改善・常勤化が必須だと市に求めましたが、「ルームの開所時間に合わせて、会計年度任用職員としている」という答弁です。ルームの開所時間は14時から19時です。しかし、職員はその時間だけルームにいるわけではありません。前後の時間を考慮すれば、常勤にするべきです。
     今後も、放課後の子どもたちの生活の場を守り、ルームを支える職員の処遇改善に力をつくします。

    無料法律相談 3月21日(木)/4月18日(木)
    船橋市中央公民館

    3月議会が始まります

     2月13日から3月22日までの39日間の日程で、2024年(令和6年)第1回定例会が開会し、市長からは、新年度予算案と今年度の補正予算を含めて議案53件と人事案件の諮問などが提案されます。
     新年度予算では裏面のような市民要望が実現します。一方で、海老川上流地区のまちづくりへ21億円、医療センターの移転建て替え事業に32億円が計上されています。市民には行財政改革という口実で負担増やサービス削減を押し付けておきながら、大型開発には際限なく財政支出を続ける市の姿勢は重大です。
     日本共産党からは、「パレスチナ自治区ガザ地区における即時かつ持続的な人道的休戦を求める決議」、「企業・団体献金の全面禁止及び政党助成金の廃止を求める意見書」、「介護保険制度改悪の中止を求める意見書」の3つの発議案を提案します。

     

    介護も国保も保険料の大幅値上げ

     2月1日、船橋市介護保険事業運営協議会、同月2日、船橋市国民健康保険運営協議会が開かれ、2024年度の65歳以上の介護保険料および国民健康保険料(以下国保料)が審議され、いずれも理事者側の提案が可決されました。
     介護保険料は、基準となる5段階目の保険料を月額1300円も引き上げることが協議会で可決されました。また、所得に応じて16段階だったものを21段階に細分化し、年間合計所得400万円以上の負担割合が大きくなる設定です。
     国民健康保険料は2024年度均等割分6740円に加え、所得割0・52%とこれまでにない引上げ幅です。
     船橋市は2019〜2020年に行った「行財政改革推進プラン」により、国保料を2030年まで2年ごとに引上げるとしており、2018年度(1500円)、2020年度(3000円)、2022年度(5000円)と、いずれも均等割分の引上げを実施してきました。
     このままでは国民健康保険料が、加入者にとってさらに大きな負担となり、年金から否応なしに引かれる介護保険料は、高齢者の暮らしを一層苦しめます。
    今後もみなさんと力を合わせ、国保料・介護保険料引き下げに全力をつくします。

    無料法律相談 3月21日(木)/4月18日(木)
    船橋市中央公民館
  • 市民に痛みを与えた「行革プラン」見直しを

     船橋市が2019~20年度に行った「行財政改革推進プラン」(以下『行革プラン』)による市民負担増と住民福祉削減の影響は、15億8100万円にのぼり、多岐にわたり市民に激痛を与えました(表参照)。
     『行革プラン』は「毎年30億円以上の赤字が出て、予算が組めなくなるため、徹底した行革が必要だ」として実施されました。
     しかし、赤字どころか毎年高額の剰余金を出し、市の積立金は2018年度末に比べ2022年度は、約130億円増えました。行革を行う理由とされた「厳しい財政状況」は起こらず、逆にため込み金を増やす根拠がなくなっています。
     『行革プラン』の実施によって、様々な分野で影響がでています。
     公共施設の値上げや公園駐車場有料化は市民の活動を大きく制約しています。国保料・下水道料の値上げで家計を圧迫しています。高齢者・母子家庭等の福祉が後退したままです。学校保険有料化で、学校事故での学校責任が果たせなくなりました。町会・自治会への補助金も減りました。
     12月議会では『行革プラン』の見直しを強く求めました。しかし市は「(『行革プラン』は)現在の船橋だけでなく未来の船橋も見据え、将来にわたり安定的なサービスを提供するために必要だった」と答弁し、拒絶しました。
     巨額の支出を伴うメディカルタウン事業のために市民のくらし・福祉・教育を後退させるというのは自治体としての変質ではないでしょうか。
    市も「令和3年度に引き続き大幅な黒字となり、財源調整基金の剰余金処分後残高は過去最大となった。一時的な危機的な財政状況は脱したと考えている」と言わざるを得なくなっています。

     

    実態把握が不充分
    船橋市のハラスメント対策

     国際労働機関(ILO)は、2019年に、「労働の世界における暴力とハラスメントを撤廃する条約」(190号条約)を賛成多数で採択し、2021年6月に発効しています。
     ILO総会で、日本政府代表は条約に賛成しながらも、「国内法との整合性を検討する必要がある」として、条約の批准をせず、ハラスメントそのものを禁止する法整備を行っていません。しかも、国連女性差別撤廃委員会からは、職場のセクシュアルハラスメント防止に必要な、禁止規定と適切な制裁措置を盛り込んだ法整備をすべきと再三勧告されています。
     これらをなくそうという世界の流れに逆行しているのが日本の実態です。国の動向を待っていては、いつまでたっても無くなりません。
     日本共産党には、市の職員として働く皆さんからもハラスメントの相談が寄せられます。安心して働ける職場環境は、職務に専念でき、市民への充分な情報提供や迅速で正確な対応につながります。
     今議会では、市の職員へのハラスメント対策について、市の姿勢を質しました。

    全庁的調査の提案も受け入れず

     船橋市に職員から寄せられたハラスメントの相談件数は、表の通りです。
     しかし、常勤で働く職員の数は、5040人(2023年4/1現在)。このほかにも非常勤の会計年度任用職員(4251人)や、短時間再任用職員(122人)が働いており、相談件数だけでの調査では、庁内全体の実態の把握が困難です。
     市に対し、全庁的な調査を行うよう求めましたが、「不確実な情報に基づく誹謗中傷につながる可能性」や、「匿名調査をしてもフォローアップができない」ことを理由に、行わないとしています。
     ハラスメント撲滅のために、積極的な取り組みを行うよう、求めていきます。

    無料法律相談 2月14日(水)/3月21日(木)
    船橋市中央公民館

      みなさま どんな新年をお迎えでしたか?
     平和で希望が持てる日本に変えるスタートの年にしましょう。
     昨年、船橋市は史上最高額となる306億円の財源調整基金の保有となりました。しかし、物価高騰で苦しむ市民生活への支援には消極的です。
     一方、医療センターを移転してつくるメディカルタウン構想には今後921億円もの市費を支出する計画です。しかも浸水や液状化が想定されます。
     メディカルタウン構想のために、市民福祉を犠牲にしてはなりません。市民のくらし第一の船橋市へ、日本共産党市議団は市民のみなさんと力を合わせ、市政を変えるため今年も頑張ります。

    日本共産党委員長・
    衆議院議員
    志位 和夫
    (船橋市夏見在住)
     新年おめでとうございます。みなさんの日ごろのご支援に心から感謝申し上げます。
     私たちは1月に第29回党大会を開きます。大会で私たちは「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党政治のゆがみをただす日本改革の展望を示すとともに、直面する総選挙での躍進・南関東ブロックでの3議席奪還、そしてつよく大きな党へ、反転攻勢の決意を固め合います。2024年を歴史的大転換の年とするためにともに力をあわせましょう。

     
    日本共産党
    前衆議院議員
    はたの 君枝
     
     新しい年を迎えました。
     1月、第29回党大会を開きます。裏金疑惑、オスプレイ墜落事故など、国民をないがしろにしてきた自民党政治をもとから変えるために、日本共産党をつよく大きくしてください。
     総選挙で「比例は日本共産党」を広げ、志位和夫委員長、私・はたの君枝、さいとう和子元衆議院議員の3人をそろって国会に送ってください。小選挙区候補の勝利に力をお貸しください。ご一緒にがんばります。
    衆院比例南関東
    ブロック予定候補
    さいとう 和子
    (元衆院議員・船橋市高根台在住)
     新年あけましておめでとうございます。衆院比例南関東ブロックで3議席をとり国会に送って頂いた時、私は40歳でした。あれから10年。経済の行き詰まりを軍需産業で突破しようとする露骨な自民党政治の危険性があらわになっています。
     どこまでもアメリカと財界の代弁者として私利私欲に走る自民党政治を変え、人々の生活をより豊かにするために、そして、次の世代に世界に誇る憲法9条を引き継ぐために力を合わせましょう。
    県議会議員
    丸山 慎一
     
     金もうけのための無駄な公共事業、もうけすぎて使い道のない無駄なため込み金、もうけのために地球を灼熱化する安いエネルギーにしがみつく、武器商人のもうけにつながる各地の武力衝突、そしてカネまみれの政権与党。もうけを増やすことが原動力になっている「資本主義」について、真剣に考える年にしたいものです。
    市議会議員
    岩井 友子
     
     「標語より有言実行 格差是正」(今年度船橋市標語コンクールから)。中学2年生の作品です。
     所得格差、ジェンダー格差、教育格差、地域格差、世代間格差等々、格差だらけの日本。大人への痛烈なメッセージだと受け止めました。
     子どもたちが希望の持てる社会に、頑張ります。
    市議会議員
    金沢 和子
     
     新年号が配布されるころまで、岸田政権が続かないこと切実に願っています。過去最低の支持率を更新中の内閣に、新年度予算編成をする資格はありません。
     日々の暮らしのシンドさには、出口がないと感じる方が増え続けています。でも、声を上げれば変えられることがたくさんあると、今年も、伝え続けようと決意しています。
    市議会議員
    かなみつ理恵
     
     今年の大河ドラマの主人公は『源氏物語』の作者・紫式部です。幼少期から聡明だった彼女には「お前が男子だったら学者を継がせたのに」と父を残念がらせた逸話があります。一方で、あまり賢くなかった式部の弟は、父のこの言葉をどんな思いで聞いていたでしょう。今でもある話ですよね。ジェンダー平等をもっと進めましょう!
    市議会議員
    松崎 さち
     
     昨年11月、2013年からの生活保護費引き下げは違法だとして、名古屋高裁が国に賠償を命じました。国民の窮乏に背を向け武器を買い漁る自民党政治を終わらせましょう。船橋市では市民の声を力に、学校体育館のエアコン設置、3ヶ月の学校給食無償化が実現しました。力合わせ、新しい政治の実現を。今年もがんばります。
    市議会議員
    神子そよ子
     
     おめでとうございます。昨年の統一地方選挙で2期目がスタートし、あっという間の1年でした。
     みなさんと一緒に要求を続けてきた「給食費の完全無償化」が今年1月から3月の間、実施されることになりました。要求運動実現に向けた大きな一歩です。「市民の暮らし・いのち最優先の船橋へ」今年もみなさんと力を合わせます。
    党千葉4区
    予定候補
    佐川 長
     
     「駅伝でタスキを渡すランナーの眼に映る光景や心情を想像するだけでもワクワクするよね」僕が師事していた先生の言葉です。未だにタスキを受け取れぬまま、先生は今、もういない。「生きづらさは変えられる」すべての世代にこのスローガンが書かれたタスキを繋いでいきたい。全力でがんばります。
    党千葉14区
    予定候補
    坂井ようすけ
     
     新年おめでとうございます。2024年は辰年。辰は動物にあてはめると竜(龍)です。竜が使われる四字熟語に「一竜一猪」という言葉があります。努力して学ぶものと怠けるものでは大きな開きが出るという意味です。「竜頭蛇尾」(だんだん勢いが無くなる)だと言われないよう一年間力いっぱい努力をする決意です。
    無料法律相談 1月19日(木)/2月9日(木) 船橋市中央公民館
  • 市民に賛否を聞くべき
    メディカルタウン(海老川上流地区開発)構想

     10月2日から1ヶ月間、「ふなばしメディカルタウン構想」の賛否を問う住民投票を求める直接請求署名活動が「メディカルタウン構想を考える市民連絡会」により取り組まれました。地方自治法で規定された有権者の50分の1である1万732筆に、あと226筆足りませんでしたが、市民の関心の高さが表れました。11月29日の本会議で、無所属の議員から署名数への見解を質された松戸市長は「署名簿が提出されなかったので、見解を述べることは控えたい」と答えましたが、議会は議論する場です。逃げずに答えるべきです。
     日本共産党は12月1日の本会議で市長を批判し、「結果を受けて市長自ら住民投票条例を提案すべきだ」と質しました。都市計画部長が答弁席で「適正にやってきた」と正当化しましたが、やはり議論から逃げる市長の姿勢が際立ちます。日本共産党は「住民との矛盾の深まりは避けられない」と指摘しました。

     

    資金計画の透明化を

     海老川上流地区区画整理事業は、資金計画でも疑問があります。計画では区画整理の総事業費は約193億円で、このうち保留地(※)処分金は約108億円です。うち58億円は市が医療センター用地費として支出し、残りは50億円です。しかし残りの保留地は新駅前の一等地などで市民から「フジタや一部の地権者が巨額の開発利益を得るのでは」と、疑いの目が向けられています。
     市は区画整理に市独自の助成金まで出しますが、その前に保留地処分金を精査すべきです。共産党の追及に市は「資金計画を見直すべき状況になったら組合と協議したい」と答えました。そもそも土地区画整理法は「費用は施行者が負担する」と定めています。市民に「受益者負担」として負担増を強いながら、不透明な民間の区画整理への巨額の公費投入継続は許されません。今後も追及します。


    ▲11月26日に決定された保留地。地積は76979㎡

    保留地とは:土地区画整理事業において、事業費用を捻出するために、施行区域内で売却する土地。

    子どもの給食費が3か月間無料に

     現在開会中の第4回定例会に市長から子どもたちの給食費を来年1月から3月の3か月間限定で、無料にする追加の補正予算が提案されました。国の物価高騰対応臨時交付金を活用するもので、船橋市には約8億5千200万円が交付されます。
     日本共産党はこの間、繰り返し学校給食の無償化を市長に要求してきました。市民のみなさんとも力を合わせてきました。
     しかし、市川市を始め多くの自治体が無償化に踏み出す中、船橋市は給食の無償化に背を向けてきました。
     11月に入り、物価高騰対応臨時交付金が閣議決定され、船橋市に8億円近い交付金があるとわかりました。日本共産党は11月27日の本会議でとりあげ、「この交付金を使い物価高騰対策として来年の1月から3月までの給食費の無償化を実施すること」を提案していました。
     市長から提案のあった無料化は小中学校だけでなく、保育所や幼稚園も対象になるものです。
     市議会最終日の12月22日に議決されますが、実施までの期間が短いため保護者のみなさんへの周知が心配されます。また、すでに1月分の給食費は納入済みですが、中学校の場合、申し込みをしていない家庭への特別な対策が必要です。期間限定でも、ようやく実現した給食費無償化が、子どもたちにもれなく届くように求めます。また、来年4月以降も継続されるよう、日本共産党は力を尽くします。

    無料法律相談 1月17日(水)/ 2月8日(木)
    船橋市中央公民館

    災害時の避難所にもなる学校体育館にエアコン設置が実現!

     今議会に、市立中学校・高等学校体育館と武道室へのエアコン設置についての議案が提出されました。
     近年の酷暑による児童生徒の熱中症対策に、また、災害時には学校体育館は地域住民の避難場所にもなることから、エアコン設置は、新日本婦人の会船橋支部や船橋市教職員組合など市民のみなさん、そして日本共産党も長年要望してきた課題でした。共産党は今年の9月議会でも「来年の夏までには体育館にエアコンの設置を」と取り上げたところでした。
     市は、中学校と高校の体育館(武道室を含む)を先行し、来年8月までに設置を完了。小学校・特別支援学校の体育館は2025年度中の設置予定となっています。
     中学校・高校を先行し、小学校などを後まわしにするのは、
    〇部活動などで、体育館の使用頻度が高いから
    〇市の職員が設計するので、設計士や電気職・機械職などの人員不足
    〇一度に受けられる業者がいないと思われる
    などの理由からです。
     人員不足なら、職員を増やしてでも対応するべきです。
     また、体力的に劣る小学生や障がいのある児童生徒が使用する体育館のエアコン設置を後回しにするなど、許されません。
     11月27日の本会議で、「エアコンは児童生徒の熱中症対策、そしていつ起きるかわからない大規模災害の備えだ。小学校・特別支援学校を先送りすることなく全ての学校体育館に早急に整備を進めるべきだ」と、日本共産党は求めました。しかし教育委員会は、「まずは中学校と高校から」と繰り返すばかりでした。
     温暖化対策となる断熱化とともに、1日も早い全エアコン設置を、引き続き求めます。

     

    市長や議員のボーナス引き上げに反対!

     今議会では、「市長等特別職(※)の職員および議長等の期末手当の支給割合」を年間4・4月から4・5月に引き上げるための条例改定が提案されています。日本共産党は「物価高騰が続き、市民生活が深刻な打撃を受け続けている今、特別職の期末手当の引き上げは、市民には到底受け入れられない」と市長を質しました。市長は「市民の生活状況はいろいろ伺うところはあるが、上げるときに上げないと、今度下げるときに下げ幅をどうしたらいいか、ということになる。国の動向に合わせることが円滑な運用に当たると考えている」と、詭弁とも思える答弁をしました。市民感情と全くかけ離れています。
     松戸徹市長は市民に向き合わず、一方で、市関係の支出が921億円にもなる海老川上流地区開発に前のめりです。市長は、厳しさを増す市民生活を直視するべきです。

    【※特別職とは】市長、副市長、教育長、常勤監査委員、病院事業管理者、議長、副議長、議員です。

    婚姻届の記入例をジェンダー平等に!

     婚姻届の書き方を説明した記入例を船橋市が作成し、戸籍の窓口で希望者に配布しています。しかしその記入例がジェンダー平等になっていない個所が2つありました。1つは婚姻後に選ぶ姓をチェックする欄です。法律では夫婦のどちらの姓を選んでもよいのに、記入例では「夫の氏を選ぶ」にチェックが付いています。もう一つは年齢です。「夫になる人」の方が「妻になる人」よりも年上になっています。
     確かに95%のカップルが婚姻時に夫の姓を選び、また夫が妻よりも年長という夫婦が多いのは事実です。しかしそれは「夫婦とは、年上の夫が『一家の主』となり、妻は夫に従うもの」という古い概念がまだまだ日本社会に残っているからではないでしょうか。その概念が女性だけでなく男性の生き方をも縛っています。
     「妻と夫は対等であり、どちらの姓を選んでも良いのだということを示す記入例に船橋市は改めるべきだ」と議会で日本共産党が求めたところ、市はこの記入例が不適当であることを認め、すぐに改めると答弁し、ホームページは12月6日に改められました。船橋市のすばやい対応に拍手を贈ります。
     本来は選択的夫婦別姓に法を改正することが一番良いのですが、残念ながら自民党右派の強固な反対のせいで未だに実現できていません。だからこそ、現行の法律のなかで可能な限りジェンダー平等を実現させていく必要があります。

    無料法律相談 12月13日(水)/ 1月17日(水)
    船橋市中央公民館
  • 12月議会が始まりました

     11月17日から36日間の日程で、2023(R5)年第4回船橋市議会定例会が開会しました。市長からは、補正予算をはじめ13議案、人事案件2件などが提案されました。
     また、岸田政権が10日に閣議決定した住民税非課税世帯への1世帯7万円の給付金は、追加提案される予定です。
     補正予算には、市民のみなさんと一緒に日本共産党が長年求めてきた、中学校・市船高校の体育館(武道室含む)へのエアコン設置の約23億円や、特別支援学級の設置(市内6校)、保育所への発達支援児受け入れ費用の補助などが含まれます。
     日本共産党からは、岸田政権に対し「沖縄県辺野古への米軍基地建設断念を求める意見書」と、教員の長時間労働を是正するための「『公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法』の廃止及び教員の確保に関する意見書」の2つの意見書を提案しました。
     年末に向け、物価高騰から市民の暮らしを守るため力をつくします。日本共産党議員の質疑日程は表の通りです。ぜひ傍聴にお越し下さい。

     

    介護保険料引き上げは中止を
    福祉充実の船橋へ

     10月31日、2023年度第3回船橋市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画作成委員会で、「第10次高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画」について素案が提示されました。
     65歳以上の人の介護保険料は3年ごとに見直され、来年度がその年に当たります。船橋市では、第1段階(世帯市民税非課税や生活保護を受けている人)から、第16段階(本人が市民税課税で、本人の合計所得が1500万円以上の人)まで所得に応じて16段階に区分され、第5段階を基準として介護保険料の額が決められています。
     第9期介護保険事業計画では、2024~26年度までの介護保険料基準額が示され、現在の基準月額5400円を6000円台半ばまで引き上げることが明らかになりました。基準月額が6500円に引き上げられた場合、現在の介護保険料より第1段階では年間3300円、第16段階では年間33000円の増額になります。
     さらに、2040年度には、基準額を月額7000円台後半へ引き上げることまで示されました。介護保険料は、年金が年額18万円以上の人は、年金から差し引かれます。市民生活をますます苦しめる介護保険料の引き上げはやめるべきです。
     また、特別養護老人ホームの待機者数は500人弱にも上ります。しかし今期中の増床が遅れ、190床が来年度以降に繰り越されます。グループホームや特定施設入居者生活介護(短期入所等)に必要なベッド数も、36床が再来年度に繰り越されます(下表参照)。
     それ以外は「既存の施設で足りている」とし、第9期整備計画(2024~26年度)では、ほとんど整備されません。今後の施設不足が懸念されます。
     日本共産党は、福祉充実のため、引き続きみなさんと力を合わせます。

    無料法律相談 12月13日(水)/ 1月17日(水)
    船橋市中央公民館

    学校体育館にエアコンを

     9月に入っても記録的な猛暑の中、学校では校庭や体育館で体育の授業が行われていました。学校では、こまめに水分補給を行うなど子どもたちの体調管理はしっかり行われていますが、「子どもたちは真っ赤な顔をしています」との声がきかれます。
     学校体育館のエアコン設置は子どもの健康にかかわる問題であり、実現が急がれます。
     日本共産党は前議会に続き体育館のエアコン設置を求めました。これまで学校体育館のエアコンについて、市教委は「断熱工事が必要なので、お金がかかる」と設置しようとしませんでした。しかし今議会、あらたに市教委は他の自治体への調査によりエアコンの設置の仕方によって「断熱改修をすることなく一定の効果を得ていることがわかった。まずは空調機(エアコン)を設置していきたい」と答弁しました。
     予算化は市長の判断になります。市長に来年の夏に間に合う予算措置を求めたところ、副市長が「早急に対策を講じなければいけない。スピード感を持って検討していきたい。」と答えました。市も市教委も学校体育館のエアコン設置が来夏に間に合うように力を尽くすことを求めます。

     

    不登校の子どもたちへの支援を求める

     不登校の子どもたちが増えています。昨年度、船橋市内では1年間に30日以上欠席した不登校児童(小学校)は510人、不登校生徒(中学校)は776人でした。日本共産党市議団はこうした不登校の子どもたちの保護者のみなさんから様々な声をうかがってきました。子どもたちが苦しんでいる実態、保護者の苦悩は深刻です。それをもとに今議会で日本共産党は、実態調査、相談体制の強化、居場所づくり、学びの補償など総合的な支援の強化を求めました。

    不登校児の実態調査を

     不登校となっている子どもの状況や家庭の状況は様々であり、支援強化のための実態調査を求めたところ、市教委から「進めていきたい」との答弁がありました。

    フリースクール・サポートルーム

     民間のフリースクールに通っている子どもたちやサポートルームに通う子どもたちへの支援です。民間のフリースクールの利用料は1回3000円、4000円かかり、週1回でも月に1万5千円から2万円になり、保護者の経済的負担は重いです。この負担軽減については市教委は「フリースクールの助成は、近隣市の状況について調査研究をすすめる」と答えました。子どもはどんどん育っています。早急な実施を求めました。
     サポートルームの増設や自力通学については「古和釜中に新設するサポートルームの通室状況を鑑み慎重に検討していきたい」との答弁がありました。

    スクールカウンセラー

     子どもだけでなく保護者や教員からも相談を受けているスクールカウンセラーの配置についてです。スクールカウンセラーは船橋市の小中全校に配置されているものの勤務は週1日だけで、なかなか面談の予約が取れません。スクールカウンセラーについては常駐配置を求めました。市教委は「スクールカウンセラーは学校からの要望にしっかり応えていけるよう対応を考えたい」という答弁でした。

    無料法律相談 11月9日(木)/ 12月13日(水)
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