第2回定例議会「猛暑と物価高騰から市民を守れ」
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防災対策の充実を求める陳情の不採択、なぜ? 市民から出された「船橋市の防災に関する陳情」が反対多数で不採択となりました。 地元県立高校の存続を求める 千葉県教育委員会は、2001年以降、県立高校の統廃合を進めてきました。今年5月には統廃合の対象校名(7校)を明らかにし、今後の学校のあり方を関係者から聴取する「地域フォーラム」の開催を決めました。 非常に狭い習志野駐屯地に
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メディカルタウン構想
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震災対策の強化を求める 船橋市は地震の被害想定を行い、市内24地区ごとに『地区別防災カルテ』をつくっています。地震の揺れや家屋の倒壊、火災の被害が危険度別に色分けされた地図と、各地区の地域課題が記載されています。 船橋市地区別防災カルテ(https://www.city.funabashi.lg.jp/bousai/map/p066369.html) 必要なら、いくらでも出す?
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第4回定例議会
実現しました!
『学校体育館のエアコン設置』『学校等給食費3ヶ月無償化』
11月17日から36日間の日程で、2023年(令和5年)第4回船橋市議会定例会が開かれました。今議会では、国による物価高騰対策として、住民税非課税世帯への7万円の給付金や、国民健康保険に加入している方のうち、出産を予定している方や出産した方の保険料を免除する条例が提案されました。
また、市民からの要望が強かった学校体育館へのエアコン設置や、1月から3月までの期間限定ですが学校等給食の無償化などが提案されました。市民が声を上げていけば、政治は変わるという、貴重な成果が生まれています。
日本共産党からは、「沖縄県辺野古への米軍基地建設断念を求める意見書」と、「『公立の義務教育諸学校等の給与等に関する特別措置法(教員の残業代ゼロ法)』の廃止及び教員の確保に関する意見書」を提案しました。
市民の声を聞け!海老川上流地区開発
昨年10月2日から1ヶ月間、「メディカルタウン構想を考える市民連絡会」が同構想の賛否を問う船橋市住民投票条例制定を求める署名運動を行いました。地方自治法で規定された有権者の50分の1である1万7
32筆に226筆足りませんでしたが、関心の高さが表れました。
12月議会で無所属市議から署名数への見解を質された松戸市長は「署名簿が提出されなかったので、見解を述べることは控えたい」と答えましたが、議会は議論する場です。逃げずに答えるべきです。
日本共産党も「結果を受け、自ら住民投票条例を提案すべきだ」と市長を質しましたが、都市計画部長が「適正にやってきた」と答えるのみでした。共産党は「住民との矛盾の深まりは避けられない」と指摘しました。
元日の能登半島地震では道路の陥没・寸断や液状化など、災害の脅威が現実化しました。水害や液状化の想定区域を開発し、新たな被災地を増やすのではなく、既存市街地の安全対策にこそ市税を投入せよ--この声を広げる時です。
物価高騰対策で子どもの給食費が3か月間無償に
今議会では、物価高騰対策として子どもたちの給食費を今年1月から3月の3か月間限定で無料にする追加の補正予算を可決しました。
学校給食費の無償化は子育て世代からの強い要望です。日本共産党はこの間繰り返し学校給食の無償化を市長に要求してきました。市民のみなさんとも力を合わせてきました。市川市を始め多くの自治体が無償化に踏み出すなか、船橋市は費用がかかるとしてやってきませんでした。
昨年11月、国から船橋市に約8億円の物価高騰対応臨時交付金がでることがわかり、日本共産党は、この交付金を使えば今年1月から3月の給食費の無償化の実施できると提案していました。今回の無償化は小中学校の給食費だけでなく、保育所や幼稚園も対象になるものです。
今回は物価高騰対策で期間限定ですが、学校給食費無償化に向けて今年4月以降も継続されるよう日本共産党は力を尽くします。
今年度も予算要望書を市長に提出
2023年も、日本共産党は来年度予算に向けての市民アンケートを実施し、10月末までに、927通の回答をいただきました。ご協力ありがとうございます。お寄せいただいた要望を冊子にまとめ、12月20日に市長へ直接手渡し、要望項目の申し入れを行いました。これからも皆さんと力を合わせて、要望の実現を目指して力をつくします。
市長や議員の期末手当の引き上げ
今議会では市長などの特別職と議員の期末手当を年間で0・1月分引き上げる条例が提案され、日本共産党は反対しましたが多数で可決されました。対象になるのは市長、副市長、常勤監査役、病院事業管理者、議長、副議長、議員です。市役所職員の期末手当の引き上げに合わせてというものですが、市長など特別職と議員には下表のとおり、一般の市役所職員と比べ高い給与が支払われています。会計年度任用職員は最低賃金に近い時給です。物価高騰対策として市職員の期末手当を引き上げるからといって、連動させる必要があるでしょうか。物価高騰で苦しんでいる市民の理解も得られないのではないでしょうか。
市長も議員も条例を自ら提案し議決する権限をもっており、引き上げは避けられました。まさにお手盛り値上げです。
婚姻届けの記入例がジェンダー平等に!
船橋市が作成し戸籍の窓口で配布している婚姻届けの記入例に、ジェンダー不平等な部分が2か所ありました。1つは婚姻後に選ぶ姓をチェックする欄ですが、夫婦のどちらの姓を選んでもよいのに、記入例では「夫の氏を選ぶ」だけにチェックが付いていました。もう一つは「夫になる人」の方が「妻になる人」よりも年上になっていました。
確かに95%のカップルは夫の姓を選び、また夫が妻よりも年長という夫婦が多いです。
しかしそれは「夫婦とは、年上の夫が『一家の主』となり、妻は夫に従うもの」という古い考えが日本社会にまだ残っているからでしょう。
妻と夫は対等で、どちらの姓を選んでも良いのだということを示す記入例に改めるべきだと市議会で日本共産党が求めたところ、市は「すぐに改める」と答弁し、数日後に市のHPでの説明は改められました。
災害時の避難所にもなる
学校体育館にエアコン設置が実現!
市内小中学校・特別支援学校・市立船橋高等学校体育館と武道室へのエアコン設置が決まりました。
児童生徒の熱中症対策、また災害時には地域住民の避難場所になる学校体育館へのエアコン設置は、市民のみなさんと、日本共産党が長年要望してきた課題でした。
12月議会の議案では、2024年8月までに中学校と市立船橋高校に、小学校・特別支援学校体育館には2025年度中のエアコン設置予定となっていました。
中学校・高校を先行し、小学校などを後回しにするのは、
〇部活動などで、体育館の使用頻度が高いから
〇市の職員が設計するので、設計士や電気職・機器職などの人員不足
〇一度に受けられる業者がいないと思われる
などの理由からです。
人員不足なら、職員を増やしてでも対応するべきだし、体力的に劣る小学生や障がいのある児童生徒が使用する体育館を後回しにするべきではありません。
「児童生徒の熱中症対策、いつ起きるかわからない大規模災害の備え、全ての学校体育館に早急にエアコンの整備を進めるべきだ」と、日本共産党は求めました。しかし教育委員会は、「まずは中学校と高校から」と繰り返すばかりでした。
温暖化対策となる断熱化と共に、1日も早いエアコン設置を引き続き求めます。
救援救助よりも
共同演習を優先した自衛隊
1月7日、習志野演習場で自衛隊の「降下訓練始め」が実施されました。
「米軍をはじめとする8か国もの外国軍が参加する大規模な軍事イベントを中止し、政府は、能登半島地震への救助活動にこそ自衛隊を派遣すべきだ」という趣旨で市民団体が呼びかけたインターネットの署名には、わずか24時間で700名近くの賛同が集まりました。
また1月2~8日の間、習志野駐屯地には8か国120名もの外国兵が滞在し、自由な外出が許されていました。日本国内の米軍基地周辺で多発する米軍関係者による犯罪が習志野駐屯地周辺で起こらないよう、外国兵の外出や飲酒の制限を日本共産党は防衛省に求めていましたが、無視された形となりました。
◀写真は7日、米軍機から落下傘で降下する自衛隊員です。市内の田喜野井7丁目で、ドドーンという大砲の音に驚き、家の外に出たところで撮られたものとのことです。
12月の船橋市議会
日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情・議案への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(10人)、結=結(7人)、清風=清風会(5人)、飛翔=飛翔(4人)市政=市政会(議長を除く3人)、無所属(5人)は・三・か・佐=議員の頭文字
【○=賛成 ×=反対 退=退席】
第3回定例議会
「不要不急の基金」より物価高騰への緊急支援を!
物価高騰が止まらず、市民生活は厳しさを増しています。10月11日に閉会した9月議会の重要課題は市民への緊急支援でしたが、市長からそうした提案はありませんでした。日本共産党は、市民のくらし支援よりゼネコンの利益を優先する政治を批判し、災害の危険地域への市立医療センター移転中止などを求め、論戦しました。
また、昨年度決算の審議で、市が64億円以上の剰余金を出し、当初予算で取り崩す予定だった25億円の財源調整基金も使わないままと、多くの財源を使い残したことが明らかに。日本共産党は「学校給食無償化や国保料引き下げなど、くらし支援が求められる中、自治体としての役割が果たせていない」と指摘し、決算認定に反対しました。
基金を取り崩して基金を設置
市長からは、建替えが予定されている医療センターのために「医療センター整備基金」として、54億円の新たな基金を創設する提案がありました。財源調整基金(※1)からの繰入金による設置ですが、そもそも財源調整基金(以下、財調)には、市の財政運営を調整する役割があります。医療センターに多額の予算がかかるなら、財調から支出することが可能で、新たな基金を設置する必要はありません。あえて新たな基金を創ることは、市民に対し市の財源を過少に見せることになります。
また、医療センターの建替え予定地が軟弱地盤のために、液状化対策として35億円の地盤改良工事が予定されています。多額の基金を積むのではなく、多額の費用がかかる計画の方を見直すべきです。
年度予算の使い残し=剰余金を積み立てたもの。
家庭で言う貯金のこと。略して財調。
財調306億円は史上最高額
昨年度決算では剰余金積立額が61億円となり、財調は史上最高の306億円になりました。今年度は地方交付税を49億円と見込みましたが、決定額は72億円と、23億円の増収です。
市民にとって、今必要なことは、緊急の物価高騰対策です。例えば、前回と同様の非課税世帯への3万円の給付金なら24億円、学校給食の完全無償化の実施は試算では26億円で可能です。
市税の使い方を切り替えるために、引き続き、力を尽くします。
不登校の子どもたちへの支援を求める
不登校の子どもたちが増えています。昨年度船橋市内では1年間に30日以上欠席した不登校児童(小学校)は510人、不登校生徒(中学校)は776人でした。実態調査、相談体制の強化、居場所づくり、学びの補償など総合的な支援の強化を求めました。
教育委員会は実態調査について「進めていきたい」と答弁。フリースクールに通う子どもの保護者に対する経済的負担軽減については、「近隣市を調査研究する」、週に1日しか配置されていないスクールカウンセラーの常駐配置については「学校からの要望にしっかり応えていけるよう対応を考えたい」、サポートルームの増設については「慎重に検討していきたい」等の答弁がありました。
校内フリースクールといわれる不登校支援教室は現在、中学校には全校設置されていますが、小学校では職員の確保が困難です。教育委員会は会計年度任用職員の配置を協議する意向ですが、学習支援が行える職員の配置も求めました。
船橋市 否定せず
大地震で医療センター周辺 道路陥没
海老川上流地区に移転する医療センターを設計中の㈱日建設計は、市に「想定より悪く弱い地盤」「10年程度で5~10㎝の地盤沈下発生を想定」と報告していました。9月5日付の読売新聞はこれを受け、防災専門家の「周囲の台地と比べて震度で1~1.5、被害で10~50倍は違う」「杭を打っても建物は大きく揺れ、中の人や機器は安全ではない。取り付け道路も亀裂が入ったり陥没したりする」との警告を掲載。日本共産党は9月議会で「専門家の指摘を認めるか」と市を質しました。
市は「敷地内道路に耐震設計という考えはないが、支持力(※2)については公道と同様に、適正に施工する」とだけ述べ、まともに答えませんでした。
2019年3月時点では290億円と想定された新病院の概算工事費は、今や2倍近くの560億円です。現地建て替えを視野に入れて立ち止まり、計画を見直すべきです。(【※2】支持力=車両など道路にかかる上からの力を支える力・反発力のこと)
市民のニーズに応える児童ホームの設置を
市は二和東国家公務員宿舎跡地利用について、今年7月23日の住民説明会で、「児童ホーム・老人憩いの家」などを含む「複合施設」は建設しないという新たな方針案を示しました。
三咲小学校周辺は宅地開発が進み、「現在小学生が増えていること」「今後ワンオペ育児(※3)支援や不登校児の居場所としても必要な場所であること」などから、児童ホームを含む複合施設の建設を議会で求めました。
しかし、市は「子どもの数が減少傾向」「これまで通りの新たな児童ホームは建設しない」「児童ホームの役割や位置づけを整理する必要がある」と繰り返すばかりです。
さらに、児童ホームなど既存の施設の統廃合もあり得るという看過できない発言までありました。
船橋市では24地区全てに児童ホームを設置するとしながら、二和・大穴・本町地区には児童ホームが設置されてきませんでした。このままなし崩し的に児童ホームを設置しないということは、市民の理解は得られません。
また、児童ホーム未設置の3地区にも、時代にあった、市民ニーズに応える事業をするべきです。
今後も引き続き、市民要求実現に向け、みなさんと力を合わせます。(【※3】ワンオペ育児:パートナーや家族が育児に参加しないため、1人で育児を行う状態)
学校体育館にエアコンを
9月に入っても記録的な猛暑の中、学校では校庭や体育館で体育の授業が行われていました。こまめな水分補給など子どもたちの体調管理は行われていましたが、体育館のエアコン設置は急務です。前議会に続き体育館のエアコン設置を求めました。
これまで市の教育委員会は「体育館の断熱工事が必要でお金がかかる」と、やろうとしませんでしたが、今議会、エアコンの設置の仕方で「断熱改修をしなくても一定の効果を得ていることがわかった。まずは空調機を設置していきたい」と答弁がありました。市長に来年の夏に間に合う予算措置を求めたところ、副市長が「早急に対策を講じなければいけない。スピード感を持って検討していきたい」と答えました。
住民のプライバシーを侵害する土地利用規制法
2年前に成立した土地利用規制法(重要土地等調査法)によって、自衛隊の習志野駐屯地ほかが「注視区域」の候補地になりました。指定されれば習志野基地の周り約1㎞圏内に関係する人(在住・在勤・在学・施設入所など)は、国によってそのプライバシーをすべて調査されてしまうという法律です。また「基地の機能を阻害した」と国がみなせば、刑罰を科されてしまう恐れもあります。
どんな行為が機能阻害なのかの明確な取り決めがこの法律にはなく、たとえば「自衛隊のヘリコプターの音がうるさい」と抗議することも今後、処罰の対象となる恐れがあります。国に管理されず、自由に生きる権利を市民から奪う法律に市は協力すべきではありません。
核兵器禁止条約 オブザーバー参加
船橋市議会は、賛成少数で否決
11月、国連本部で核兵器禁止条約の第2回締約国会議が開かれます。日本共産党は9月議会で、日本政府のオブザーバー参加を求める意見書を提案しました。
同条約第6条、第7条に基づき、核兵器の被害者支援と環境修復、そのための国際協力を進める活動が始まっています。日本はせめてオブザーバー参加し、唯一の戦争被爆国として貢献すべきです。
しかし、意見書は賛成少数で否決されました。反対討論の要旨は次の通りです。
●市民民主連合「お題目は賛成だが、私の所属する政党の関係で、文言について、事実認定と違う部分もあるので反対」
●公明党「公明党はオブザーバー参加検討を求め、取り組んできた。本発議案は、『政府が同条約に背を向けているため被爆者が多数苦しんでいる、日本での活動は遅れている』と、従来の取り組みに対し認識不足。核禁条約に関する意見書は、多くの会派が賛同できる文書が適切」
市民民主連合は討論では、何が事実と違うのかは明らかにしませんでした。
また、これまで被爆者は、原爆症認定の基準が実態に合わない、基準が厳しく更新できないなどの理由で、訴訟を続けています。
意見書全文は右記のQRコードからご覧いただけます。
https://www.city.funabashi.lg.jp/assembly/001/36/004/p118519.html
9月の船橋市議会
日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情・議案への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(1人欠席のため9人)、公明=公明党(10人)、結=結(7人)、清風=清風会(5人)、飛翔=飛翔(5人)市政=市政会(議長を除く3人)、無所属(4人)は・三・か・佐=議員の頭文字
【○=賛成 ×=反対 退=退席】
第2回定例議会
「財源調整基金」306億円強は史上最高額 巨額の積立金は市民のために使え
今春の市議会議員選挙後、初の定例議会が5月29日から6月30日まで33日間の日程で開かれました。なお全議員50人のうち、新人は7人、女性は17人に。女性率は34%となりました。
市長から国の臨時交付金を財源とした物価高対策などが提案され、日本共産党は給付の迅速化と対象拡大、学校給食無償化やゼネコン言いなりの海老川上流地区開発の是正、痴漢対策など、市民の切実な要求実現を求め、論戦を行いました。
また国に対し、大軍拡中止やマイナンバーカードの取得強制・紙の保険証廃止の撤回、学費無償化、最低賃金1500円、同性婚実現などを求める意見書7案を提出し、賛同を呼びかけました。
年度予算の使い残し=剰余金を積み立てたもの。
家庭で言う貯金のこと。
2022年度の決算剰余金は64億7千万円にも
6月議会の予算決算委員会で、船橋市の昨年度の決算剰余金が明らかになりました。
一般会計の歳入歳出の差額、決算剰余金は64億7千万円で、そのうち当初予算に組み込まれた3億円を除く61億7千万円を財源調整基金(※)に積み立てます。積み立て後の財源調整基金の残高は306億1千万円となり、史上最高額となることが明らかになりました。
一方、市長から提案された補正予算は物価高騰対策でしたが、政府が自治体に配分した臨時交付金の枠内の対策にとどまり、低所得世帯(非課税世帯と住民税均等割のみ課税世帯)に1世帯3万円の給付金、子育て世帯へ子ども1人1万円の給付金、中小事業者への電気・ガス代高騰対策助成金などが実施されますが、物価高騰対策としては極めて貧弱です。
ゼネコン言いなりの開発に巨額の浪費
財源調整基金を活用し、物価高対策として市川市のように給食費無償化や2才以下の第二子保育料無償化といった保護者の負担軽減を行うよう求めましたが、船橋市はやろうとはしません。
市は「基金は景気や災害など不測の事態に備えるもの」というのですが、海老川上流地区開発のために、病院の移転建て替え費用など1000億円超もつぎ込もうとしています。
だから市民のためには使えないのではないでしょうか。
教員不足が深刻に学校スタッフの増員・待遇改善を
船橋市では5月1日現在、教員が小学校8校8人、中学校6校6人も未配置でした。さらに8月末までに24人(うち担任11人)が産休に入る予定で、多数の未配置が発生しかねません。
未配置は多忙化に拍車をかけ、教員の長時間労働の悪化を招きます。精神疾患による休職者数は、2018年7人、昨年21人、今年度は6月7日時点で16人と増加傾向です。子どもも十分な学習が保障されていません。
共産党は本会議で、事務スタッフや特別支援教育支援員の増員、近隣市より低い支援員の待遇改善などを求めました。船橋市教育委員会は消極的な回答に終始しましたが、子どもへの影響の認識を質すと、「十分な教育ができていないような状況を生んでいる」と認めました。子どもの権利を守る教育行政が必要です。
いいかげんな土砂の搬入海老川上流地区開発
海老川上流地区の区画整理事業では、浸水被害が想定される区域に、わざわざ船橋市立医療センターを移転しようとしています。
医療センター予定地の盛り土では、当初8万4000立方メートルの土砂を搬入する予定でした。その後、医療センターを建設する際に残土が発生するので、それを利用して盛り土をすることになりました。そこで昨年9月26日に事業主である区画整理組合と市が協議し、土砂の搬入量は変更されることになりました。
ところが、昨年11月7日に組合から船橋市に提出された「事業着手届」には、変更前の数字である8万4000立方メートルの土砂を搬入すると記載されていました。土砂の量が間違っている上、申請書の名称(特定事業着手届)も、記載されている引用条文の部分も間違っていました。さらに記入が求められている事業者の許可番号もなく、公文書と呼ぶにはあまりにお粗末な書類でした。
土砂の搬入量は、工事費用に影響します。ずさんな申請状況では、安全性だけでなく費用面からも市民の不安は解消できません。そもそも市には土砂の搬入について、きちんと把握・管理をしようという姿勢がまったくなく、組合に丸投げです。巨額の公費の投入を決めながら無責任です。ただちに是正すべきです。
なぜやらない?学校給食完全無償化
今年1月から、船橋市では第3子以降の学校給食費が無償となりましたが、全国的には、完全無償化(すべての子どもたちに給食を無料で提供)が広がっています。
総理府が行った『少子化対策のための国際世論調査(2020年)』では、「子育て支援に何を望みますか?」への回答で、最も多かったのは、「教育費の負担軽減」でした。学校給食費の完全無償化は、子育て世帯の切実な願いです。(船橋市の場合、子ども1人あたりの給食費は年間4万6000円~6万8000円です。)
しかし、市の認識は、「幅広い視点に立って、的確に教育環境を整えていくことが必要」なのであって、「教育費の負担軽減」は、その中の一つにすぎない、という程度。これでは給食どころか、負担軽減そのものが進みません。
「教育費の負担軽減」が最重要課題となるよう、引き続き、皆さんと一緒に取り組みます。
習志野基地の強靭化は周辺住民を守ってくれない
米軍と一体化した軍事訓練を自衛隊は行っています。さらに岸田内閣は、日本から他国への先制攻撃も可能な軍事力の保有を決めてしまいました。その攻撃の結果、報復として日本への核攻撃もあり得ると防衛省は想定し、習志野基地も含めた全国の自衛隊施設を強靭化する計画を立てています。駐屯地内の司令部だけは攻撃に耐えられるように地下に埋めるなどの計画ですが、いっさい守られない近隣住民は攻撃の巻き添えにされてしまいます。
船橋市はこの計画について把握していませんでしたが、市や住民への説明をしっかりと行うよう国に求めると答えました。そして何よりも市民の命を守るために、武力ではなく話し合いによる平和外交を行うよう、市は国に求めるべきです。
第2湾岸道路建設の動き貴重な自然・三番瀬を守れ
5月26日、千葉県と船橋・千葉・市川・習志野・市原・浦安の6市が「新湾岸道路整備促進期成同盟会」を設立し、同30日、国に対して早期具体化を求める要望書を提出しました。2001年に事実上凍結された「第2湾岸道路」建設に乗り出す動きです。
市長は期成同盟の参加にあたり、千葉県三番瀬再生計画との整合性をはかるよう配慮を求めたとしています。しかし建設が進めば工事中も完成後も、谷津干潟と三番瀬を行き来する渡り鳥たちにとって、巨大な障害となってしまいます。県の三番瀬再生計画には「ラムサール条約への登録促進」とありますが、これにも逆行します。
東京湾の貴重な干潟である三番瀬を守ることは、そこに生きる全ての生物を守ることでもあります。日本共産党は市民と一緒に三番瀬を守り抜きます。
全ての市民が投票できる環境整備を
4月の統一地方選挙では、市内の多くの地域から「投票所が遠すぎる」という声が届きました。2年前の千葉県知事選挙、船橋市長選挙後、日本共産党が行った一般質問に対し、当時の選挙管理委員会事務局長は「選挙結果を分析し、今後の改善に向け研究する」と答弁しました。しかし、残念ながら今年4月の統一地方選挙では分析結果が活かされませんでした。
改めて質問したところ、選挙管理委員会から「投票所までの送迎を中心とする移動支援が良いのではないかと考えている」「令和7年3月の千葉県知事選挙には何らかの対応をしたいと考えている」との明確な回答を得られました。
今後はどの様な形の送迎支援になるのか、さらに、移動投票所は検討できないのかも含め、市民にとって最適な支援を求めていきます。
同性婚も反対 自民・公明・維新 世論無視、支離滅裂な姿が鮮明に
日本共産党は今回、国への意見書を7案提出しました(下表参照)。
大軍拡や紙の保険証廃止・入管法改悪などのストップ、学校給食無償化など市民の切実な願いを基にした意見書案でしたが、自民党は質疑も討論も一切せずに反対しました。
公明党の党幹部は同性婚の法制化に積極的ですが、市議会では「今は民法改正までは必要ない」と反対。若者が希望を持てるよう学費無償化や最低賃金引き上げ、ジェンダー平等などを求める意見書に至っては、「もっともだという部分もあるが、賛成しかねる部分もある」と、意味不明な理由で反対しました。
日本維新の会は昨年の参院選で同性婚実現を公約しましたが、同党の市議らは無言で反対。市民の願いに背を向ける、支離滅裂で無責任な姿をさらしています。
6月の船橋市議会
日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情・議案への態度
共産=共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(10人)、結=結(7人)、清風=清風会(5人)、飛翔=飛翔(5人)市政=市政会(4人)、無所属(4人)は・三・か・佐=議員の頭文字
【○=賛成 ×=反対】
2023年2・3月号 No.238 一覧 |
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12月議会 11月18日から12月23日まで開会
豊かな財政力を市民の暮らし応援に
市長からは、新型コロナ患者の受入れを行う医療機関への補助金の増額や、市内公共施設の電気料及びガス料の不足分を補う補正予算が提案され、日本共産党を含む賛成多数で可決されました。
しかし、感染拡大を防ぐためには検査を増やすことが大変重要ですが、「いつでも、誰でも、無料で」受けられる検査については提案されませんでした。物価高騰対策では、食料品や水光熱費などの生活必需品の物価上昇は数十年ぶりの異常な高騰となっていますが、市民の暮らしや営業を支える提案もありませんでした。
また、今年1月から開始された学校給食費の第3子以降無償化では、市内児童生徒数4万9千290人に対し、第3子以降の対象者は約4千人で、わずか8%程度です。
一方で、船橋市の現在の財源調整基金残高は185億5千万円にものぼります。市は、「本市の財源調整基金の適正規模は120から130億円程度」と自ら説明しているにもかかわらず、その金額を大幅に上回っています。
日本共産党は、市民生活を支えるために財源調整基金を積極的に活用することを求めました。
陸自習志野演習場「降下訓練始め」
・アメリカ軍、オーストラリア軍、イギリス軍の参加は憲法違反
1月8日、陸上自衛隊習志野演習場で第一空挺団の「降下訓練始め」が行われました。その訓練に、米軍(空軍・陸軍・海軍より約70名)とともに豪軍約10名、英軍約30名が参加すると発表されています。
日本共産党は自衛隊が米軍と合同演習を行うことは「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とした憲法に反し、市街地にある狭小な演習場での降下訓練は危険で、これまでも米軍の参加に反対してきました。
アメリカ・オーストラリア・イギリスの3か国は軍事同盟「AUKUS(オーカス)」を結んでおり、米軍だけでなく新たに豪軍や英軍が合同演習を行うことは、この地域の安全にとっても重大な問題です。日本共産党は市民のみなさんと一緒に中止を求めています。
教育環境の向上を求める
・給食は完全無償化の実現を
12月議会では第3子以降の学校給食費が無償化されました。しかし、「なぜ3番目以降の子どもだけ対象なの?全ての子どもを対象にして欲しい」との声が寄せられています。「全ての子ども達の学校給食費無償化をするべきでは」と質しました。
市は「給食費完全無償化は難しい」と答弁。引き続き給食完全無償化を求めていきます!
・スクールカウンセラーは常勤配置を
「スクールカウンセラーの予約が取りにくい」という声も寄せられています。相談したい時にすぐに相談できない状態は、直ちに改善が必要だと考えます。
議会では「スクールカウンセラーは現在の週1回ではなく、常勤配置を目指すべきではないか?」と質問しました。市は「学校のスクールカウンセラー活用状況等、校長会とも情報交換しながら考えていきたい」と答弁しました。
相談したい時にいつでも相談できる教育環境を引き続き求めていきます。
・来年度予算要望書を提出
日本共産党は11月16日、来年度の予算編成に向け、市民要望をまとめた予算要望書を市長に提出しました。要望書は市内で配布した14万枚の市民アンケートへの回答を反映させたものです。
今年は特に、新型コロナ対策や物価高騰対策、国保・介護等保険料負担の軽減や給食費完全無償化、高校生までの医療費無償化、教員未配置対策、給付制奨学金、海老川上流地区開発の中止と災害に強い街づくり、ジェンダー平等・平和・気候危機対策などを重点項目にかかげました。要望項目を実現するため頑張ります。
・国がまねいたコロナ病床逼迫
昨年10月から、国の補助金である、「病床確保料」の支給要件が変更され、コロナ患者用の病床の使用率が50%を下回る場合、「病床確保料」が減額されます。市内の民間医療機関では、感染者が減っている期間も使用率50%を維持するために、病床自体を減らさないと対応できないとして、病床の削減が始まっています。その結果、12月14日には病床使用率は101・6%にもなりました。
市内では、12月5日から11日までだけでも、救急搬送困難事案数が68件発生し、搬送できずに現場待機時間が6時間43分で病院への問合わせが28回になったケースや、現場滞在時間が7時間45分、その後、鴨川市まで搬送したケースも出ています。
岸田政権のコロナ対策では、市民の命が守れない状況です。
・プラスチックごみ分別 船橋市でも早期に実施を
海洋汚染や大量焼却によるCO2の大量発生など、プラスチック(以下、プラ)問題の解決へと脱プラが急がれます。全国では白色トレイのみの153自治体を含め、約8割の市町村がプラごみの分別に取り組んでいますが、船橋市は「高効率で発電できる」として清掃工場での焼却にしがみつき、年間10万トンものCO2を発生させています。
本会議で「10万トンの重大性をどう認識しているのか」「国も費用を半分出すと言う。頑張る市町村の足を引っ張らず、直ちに分別すべきだ」と市を質しました。市は「検討したい」との答弁に留まりましたが、分別しない限り、プラごみがどれだけ出ているかを市民が意識しにくい状況が続きます。市は早期に決断すべきです。
12月の船橋市議会
日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情・議案への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、政経=船橋政経懇話会(10人)、公明=公明党(9人)、飛翔=飛翔(6人)、市政=市政会(3人)、架橋=架け橋(3人)、無所属(3人)は・小・今=議員の頭文字
【○=賛成、×=反対、退=退席】
第3回定例議会 市民のために使わず過去最高額約97億円をため込む
8月29日からの37日間の日程で、2022年(令和4年)第3回定例会が開かれました。市長から提案された物価高・コロナ対策、住民税非課税世帯への5万円給付金などの補正予算131億円と、教育長の人事案件、昨年度決算の審査を行いました。
昨年度の決算では、剰余金が過去最高額の約97億円にものぼりました。財政がきびしいと、市民負担増や住民福祉を後退させた、市長の政治姿勢が問われます。
今議会では市民から、海老川上流地区開発による海老川下流部の治水への影響をみるシミュレーションのやり直しを求める陳情が出されました。日本共産党は開発の危うさを指摘し陳情に賛成しましたが、自民・公明・民主などの反対多数で不採択となりました。
学校給食費 第3子以降無償化へ!
来年1月から、第3子以降の学校給食費が無償となります。千葉県が、市町村へ補助制度を開始するのに合わせたものです。
これまで、日本共産党が市議会で繰り返し取り上げてきた学校給食の完全無償化に向けて、ようやく一歩を踏み出しました。
千葉県内では53市町村(本市を除く)のなかで、給食無償化や減免・補助などを実施しているのは、24市町村になっています(実施予定も含む)。日本国憲法では第26条に「義務教育は、これを無償とする」と明記されており、学校教育の一環である学校給食は当然、無償にすべきです。
完全無償化は約26億円の予算があれば実施できます。船橋市の一般会計2500億円の約1%です。引き続き、給食費の完全無償化に向け頑張ります。
今こそ 財政調整基金を市民のために
昨年度の船橋市決算では、剰余金が過去最高額の約97億円となりました。
剰余金を積み立てた後の財源調整基金の残高は、244億円と歴代3位の額です(グラフ参照)。
基金は財源調整基金のほか、減債基金・特定目的基金などがあり、それらを合計すると、352億円と、過去最高額となりました。
船橋市は物価高騰対策生活応援事業として、対象となる世帯に限って、1世帯あたり4440円のお米券を配布します。
これほどの剰余金があれば、全市民に一人5千円の現金給付(64万人で32億円)を実施することができます。基金にため込まず、今こそ、市民のために使うべきです。
市独自のPCR検査センター設置を
新型コロナ第7波では、感染疑いの方が市内の発熱外来を受診できない状況が続きました。こうした状況下で船橋市では、①重症化リスクが低い方(65歳未満で基礎疾患のない方、及び妊娠していないか、妊娠の可能性がない方)や、②発熱、咳、喉の痛みなどの症状が比較的軽い方に対し、受診を抑制するような案内がされていました。
市は8月、民間に委託してPCR検査キットを郵送し、検査を実施しましたが「結果がわかったのが、症状が出てから5日後だった」という声が。日本共産党は、「いつでも、だれでも無料で検査が受けられるPCR検査センターを設置すべきではないか」と改善を求めました。これに対し、「市独自の検査センターは設置する予定はない」との答弁でした。市民が医療を受ける権利が奪われる状態は、早急に改善が必要です。
引き続きPCR検査センターの設置、医療体制の充実を求めていきます。
緊急支援給付金 対象拡大を!
電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担増を踏まえ、対象の世帯に対し1世帯あたり5万円の「緊急支援給付金」が支給されます。
対象となる世帯は、基準日(本年9月30日)に船橋市に住民登録がある世帯で、世帯全員の2022年度住民税均等割が非課税である世帯。予期せず本年1月から12月までに家計が急変し、申請日において、住民税が非課税である世帯と同様の事情にあると認められる世帯です。収入の目安は単身又は扶養親族がいない場合で、年収100万円です。2023年1月まで申請できます。
物価高騰対策ということですが、対象となる世帯が少なすぎます。市内全体の約30万世帯のうち、わずか25%です。日本共産党は、対象世帯を広げた市独自の物価高騰対策を求めましたが、市は迅速に支給することを理由に市独自の対策を拒みました。引き続き物価高騰対策を求めていきます。
【給付金 問い合わせ先】
9時~20時(土日祝を除く)
☎0120―777―136
火葬料が2倍に?!
来年2月、2ヵ年かけて行われていた「馬込斎場」の改修工事が完了します。工事完了に伴い、「馬込斎場」を運営する四市複合事務組合(船橋市・習志野市・八千代市・鎌ヶ谷市)は来年4月から「馬込斎場」の使用料の改定を決めました。2019年10月に供用開始した「しおかぜホール茜浜」に料金を統一するもので、火葬料は現行の2倍に跳ね上がります(2年間は1・5倍の緩和措置)。また、式場の使用料も、これまでは式場・遺族控室・通夜控室など、各部屋ごとの使用料が設定されていましたが、改定後はセット料金となり、使用しない部屋があったとしても、セット料金として支払いが発生してしまいます。
公共の斎場で、避けることのできない火葬料の引き上げなどするべきではありません。今後も使用料の引き下げを求めてまいります。
「有価物・資源ごみ回収協力金」の廃止で地域活動を後退させるな
船橋市は行財政改革として町会自治会やPTAの活動資金にもなっている「有価物・資源ごみ回収協力金」(以下「協力金」)は廃止します。新たな支援策を示しましたが、支援総額の1638万円は「協力金」の7119万2千円(2021年度)からは大幅削減です。
町会自治会のみなさんから、「活動するなというのか」「役所には協力できなくなる」という怒りの声があがっています。
これまで「協力金」を活用し、お祭りなど地域の行事が行われてきました。それが住民のつながりを作り、いざというときに助け合える地域づくりとなってきました。民生児童委員、ごみ減量推進委員、スポーツ推進委員、選挙立会人、国勢調査員も町会・自治会が推薦していますが、地域のつながりがあるからこそ推薦できるのです。
日本共産党は地域コミュニティを壊す「協力金」の廃止や支援策の見直しを強く求めました。市長は「みんなが納得できる形のものを制度化して提案させていただく」と答えました。
学校で先生が足りない!!
9月1日現在、市内の小、中、特別支援学校の教員未配置数は29人です。産休、育児休暇、病気等で長期間休みを取る先生の代わりとなる教員がいないという問題があります。
小学校では音楽の先生が担任の代わりにクラスに入ったため、音楽は専門の授業が受けられない学校などがあります。自習の時間も増え、子どもたちの学ぶ権利が奪われています。
代替教員がいない為、教員の多忙化も深刻です。先生達が忙しいために児童生徒と向き合う時間も減っています。子ども達が、いじめや様々な悩み事を先生に相談できずに1人で悩みを抱え込む様な状況は一日も早く改善が必要です。
議会では「国、県に改善を求める声を上げるべき」「補助教員の拡大や市としてスクールサポートスタッフの配置をすべき」と質しました。
市は「教員未配置問題は県に要望をあげている。国へは県を通じて要望する」「補助教員については状況を見極めながら考えていきたい。スクールサポートスタッフは県に要望をしている」と答弁しました。
本来、国や県が予算や人員の確保をすべきですが、教員未配置が深刻な中では市独自に対策をするべきです。引き続き改善に向けて声をあげていきます。
海老川上流部開発やめよ
海老川上流地域の飯山満川や北谷津川の川沿いでは、浸水被害が発生しており、一日も早い対策が求められています。
しかし、そのための対策として県が実施予定の、「海老川調節池」は、38年もの間、事業が進まないままで実現する保証はありません。
こうした状況で、海老川上流地区土地区画整理事業が始まれば、現在の浸水被害がどうなるかは、住民にとって切実な問題です。8月に公表された、区画整理事業による、海老川流域の治水への影響を検討するためのシミュレーションには、周辺地域からも高い関心が寄せられていました。
ところが、このシミュレーションに県の指示で「海老川調節池」の暫定整備が含まれてしまいました。
しかも、区画整理事業がこのシミュレーションを口実にして、工事着手します。
新たな災害が、うまれるような街づくりです。推進ではなく、中止するよう求めることこそ、船橋市の仕事です。
9月の船橋市議会
日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情・議案への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(9人)、飛翔(6人)、創風=創風ふなばし(6人)、市政会(4人)、新楓(4人)、架け橋(3人)無所属(3人)、は・小・今=議員の頭文字
【 ○=賛成、×=反対、退=退席、欠=欠席 】
「あの街この町」No236号に掲載しました次の記事に誤りがありました。
(WEB版は訂正済みです)
県立高校統廃合
(正)「10組程度を統廃合する」
(誤)「最低でも20校の県立高校を統廃合する」
ここに訂正し、お詫びいたします。
第2回定例議会 物価高騰から市民生活を守れ
令和4年(2022年)第2回定例会は、6月24日に閉会しました。
今議会では、市立医療センターの非紹介患者初診加算料の値上げ(5500円から7700円)、市内全小中学校への電子黒板の設置(3億300万円)、子育て世帯生活支援給付金、物価高騰対策や新型コロナ対策のための地方創生臨時交付金などの議案が審議されました。
日本共産党は、住民の暮らしと中小企業を守るための「消費税減税を求める意見書」、「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書」、また「敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有の検討を撤回することを求める意見書」の3つの発議案を提案しました。
物価高騰対策とは呼べない 物価高騰対策の補正予算
物価高騰が市民生活を直撃しています。特に食品・日用品や電気ガス代など生活必需品の値上がりが深刻です。第2回定例市議会では物価高騰対策の補正予算が全会一致で可決成立しました。しかし、とても物価高騰対策と呼べる内容ではありません。
生活支援特別給付金は低所得の子育て世帯に限られ、対象となる児童は1割に過ぎません。学校・保育園・幼稚園の給食食材値上がり分の補てん、燃料代が値上がりしているバス・タクシー事業者支援も行われますが、介護施設や障害者施設の食材費の補てんも、飲食店など物価高騰で経営が厳しくなっている事業者への対策もありません。
船橋市には現在、物価高騰対策に使える国の臨時交付金が16億8200万円残されています。
早い梅雨明けでしたが、電気代を抑えるためエアコンを我慢すれば、熱中症になりかねません。日本共産党はせめて値上り分1世帯5000円程度の電気代補助(30万世帯で15億円)を市長に提案しました。
現在、船橋市は剰余金等を積み立てた基金を100億円以上保有しています。物価高騰問題は自治体だけでは解決できませんが、基金も活用し自治体としてできる限りの物価高対策を行うべきです。
気候危機打開にむけ 温室効果ガスの早急な削減を
船橋市では、今年度から環境政策課にゼロカーボンシティ推進室が新設されました。市の地球温暖化対策実行計画では、2050年にゼロカーボンを達成するため、2030年度の温室効果ガス排出量削減目標を、2013年度比でこれまでの26%から国の目標に合わせ46%に引き上げました。その根拠を質したところ、「国のマニュアルに沿って電源構成を見直したら目標値が上がった」「家庭や事業所の再エネ100%への切り替えや、運輸部門においてEV車への切り替えなど、さまざまな部分において、期待を込めた」とあまりにも根拠のない実効性に欠ける答弁でした。
地球規模の異常気象が進んでいます。今議会には「2029年二酸化炭素ゼロ目標を視野に一刻も早く野心的な削減の実行を」「気候市民会議の開催を」など、気候危機に関する5つの陳情が提出され、市民環境経済委員会で審議しました。
日本共産党は、「2030年までの期限が迫る中、二酸化炭素削減が遅々として進んでいないことを考えると、本市としても早急に進める必要がある」と5つの陳情について賛成しましたが、いずれの陳情も「賛成少数」で不採択となりました。
引き続き気候危機打開に向け、みなさんとともに取り組んでまいります。
土地利用規制法を使った 弾圧への協力は拒むべき
重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(いわゆる土地利用規制法)は9月から全面施行されます。
この法の目的は重要施設の「機能を阻害する行為の防止」です。
専門家からは市民運動なども弾圧される恐れがあると指摘されています。
この法律は具体的に何をしてはいけないのかが明確ではないという(罪刑法定主義に反する)問題があります。船橋市で関係する陸上自衛隊習志野基地、演習場で言えば多くの機能が存在すると考えられます。通信機能、演習・訓練機能、災害救助、弾薬の保管、物資の輸送、さらに言えば自衛隊員の暮らしを支えたりといったことも機能と言えるかも知れません。
同法では第22条で、目的達成のために地方自治体に「その他協力を求める」とされています。
専門家からはこの協力について、道路管理者に基地周辺での抗議行動や座り込み者の排除などを求めたり、公園を集会で使わせないなどの協力を求めたりする可能性があるのではないかと指摘されています。
議会では「思想信条の自由、表現の自由を奪いかねない協力は拒むべきではないか」と市を質しました。
市は「想定での質問に答弁はできない」と明言を避けました。
県立高校統廃合より 少人数学級の実現を!
千葉県教育委員会は、中学生の減少を理由に2001年に県立高校統廃合計画案を公表し統廃合計画を進めてきました。 その結果、142校あった県立高校は121校に減りました。船橋市内でも2011年度には船橋西高校と船橋旭高校が統合され、船橋啓明高校になりました。
さらに県教育委員会は、この先10年間で「10組程度を統廃合する」という計画を含む、次期県立高校改革推進プランの計画案を公表しました。
計画案では「1学年6学級~8学級を適正とする」とし、適正規模に満たない学校は統廃合の対象という方針を掲げています。統廃合の学校名はまだ明らかになっていませんが、船橋市内では豊富高校(4学級)が統廃合計画の対象になる可能性が大きくなります。豊富高校は全校生徒の半数以上が船橋市内在住です。仮に豊富高校が統廃合の対象となれば、市内中学校の進路においても重要な問題になります。「船橋市からも県立高校をこれ以上減らすべきではない」という声を上げることが必要だと市を質しました。
市は「まだ学校名が示されていない中で、今考える段階ではない」と終始やる気の見えない答弁でした。生徒の数が減るというのなら、学校を減らすより今こそ少人数学級を進めるべきです。
地域の受け皿となる県立高校をこれ以上減らさせないために、これからも取り組んでまいります。
楽観的なシミュレーションは危険 海老川上流地区開発
船橋市は現在、海老川上流地区の区画整理事業が、海老川下流域に水害を引き起こさないかどうかのシミュレーションをしていますが、問題があります。海老川調節池の暫定整備と、下流部の河床掘削が前提とされているからです。この二つは千葉県の事業ですが、県は「2032年度までの実施に努める」というだけで、確証がありません。仮に実施されても盛土は工事の初期で、その間の水害リスクは考慮されていません。
共産党は本会議で「前提が崩れた場合のシミュレーションもすべきだ」と質しましたが、市は答えませんでした。
他にも盛り土量(33万㎥)を市独自に検証せず、業務代行予定者の大手ゼネコン(株)フジタが示す数字をそのまま発表する、盛り土がどこから持ちこまれるのか、6月議会の時点で確認していないなど、市の無責任さが際立ちます。共産党は「工事を凍結するよう、区画整理組合を監督すべき」と求めましたが、市は「住民説明会が終わるまで着工を待ってもらっている」と容認しています。
医療センターの移転も懸念されます。開発地は最大3mの浸水想定区域ですが、放射線室は低層部分に配置される予定です。豪雨が各地で強まる中、危険です。市は開発地を広大な公園にするなど、思い切った計画転換を進めるべきです。
6月の船橋市議会
日本共産党提案の意見書(発議案)・主な陳情・議案への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(9人)、自由=自由市政会(7人)、飛翔=飛翔(6人)、創風=創風ふなばし(6人)、新楓=新楓(4人)、無所属:(3人)、は・小・今=議員の頭文字
【 ○=賛成、×=反対、退=退席 】
福祉を後退させ、海老川上流開発に
突き進む2022年度予算
2022年度予算などを審議する第1回定例議会(2月15日から3月25日)が開かれました。
市長から提案された予算では、国民健康保険料の一人5000円値上げや、母子家庭の高校生に支給してきた補助金をやめるなど、負担増や福祉が後退する一方で、財政状況が「改善した」と新たに70億円の基金積み立てが行われます。
また、ハザードマップの浸水想定区域である海老川上流地区の民間開発のために医療センターの移転と新駅設置費用、開発補助金を支出し、開発事業を着工させようとする内容も盛りこまれています。
日本共産党は予算の組み替え動議を提案、海老川上流開発への支出をやめ、市民生活や教育支援にまわすよう主張しましたが、賛成少数で否決されました。
さらに会期中の3月4日、ロシアによるウクライナへの侵略を非難し、国際社会は即時撤収と速やかな平和の実現に全力を尽くすべきとする決議を船橋市議会の全会一致で可決しました。
日本共産党が予算の組み替えを提案
日本共産党は市長の予算案に対し、市民の福祉増進とコロナ禍から暮らしを守る立場での予算組み替え動議を提案しました。船橋市の財政規模なら今すぐに実行可能な規模での提案です。
国民健康保険料1人5千円の引き上げの中止、学校給食費の(日本共産党は完全無償化を目指しますが)第三子以降無償化をまずは実施する、子どもの医療費扶助を18歳まで拡大する、生理の貧困対策として学校のトイレ個室に生理用品を配置する、教員の多忙化解消、新型コロナ対策、ICT支援業務、カウンセリング業務などに学校が自由に活用できるスクール補助員制度を設ける、難聴高齢者の社会参加促進のため、補聴器購入費助成金の対象者拡大(収入要件無し)と助成額を10万円に拡大する、無駄で無謀な海老川上流地区土地区画整理事業への支出は中止するというものです。
残念ながら日本共産党以外に賛成者は無く、組み替え動議は否決されましたが、引き続き住民の立場で声をあげていきます。
市民生活を苦しめる国民健康保険料の一人5000円値上げ
4月から国民健康保険料の均等割を一人5千円値上げし、4万5560円から5万560円にする議案が市長から提案されました。これまでも船橋市は「行財政改革」だと言って、国民健康保険料を2018年度1500円、2020年度3千円値上げしています。国民健康保険に支出する市費をゼロにするため今後も保険料を2年ごとに値上げする方針です。
国保加入世帯の88・61%が所得300万円未満で、所得水準が低い世帯が大半です。さらにコロナ禍やウクライナ侵攻の影響で物価上昇が続き、加入者の家計状況が厳しくなっているときに値上げなど言語道断です。
今回、未就学児の保険料の均等割りを半額にする改正が行われていますが、本来、所得のない子どもは未就学児ばかりでなく未成年者すべてを対象に均等割りは無料にすべきで、まったく不十分な制度改正です。
さらに、国民健康保険料の限度額を99万円から102万円に3万円(医療分2万円、後期高齢者支援分1万円)の値上げも行われました。中間所得層といわれる市民に冷や水を浴びせます。
日本共産党は値上げに反対しましたが、多数で可決されてしまいました。
有価物・資源ごみ回収費(協力金)廃止の代替案を
昨年末、市はいきなり関係団体に有価物・資源ごみ回収協力金廃止の通知をしました。町会、自治会、PTAなどでは協力金は貴重な収入源となっているため「いきなり言われても困る」「市に協力してきたのに酷いじゃないか」「廃止は困る」と怒りと困惑の声が多数寄せられ、廃止時期は半年間延長されることになりました。しかし、それ以降どうすればいいのか先が見通せない状況です。
「この協力金が貴重な収入源になっていたことは確かであり、今後も円滑に町会、自治会、PTAなどの活動が続けられるように市として支えていく必要があるのではないか。丁寧に町会自治会、PTA等関係団体の意見を聞くべきではないか。関係団体への支援、代替案を早期に示すべきではないか」と質しました。
市は「地域における必要な支援のあり方について、丁寧に意見を聞きながら検討していきたい」と答弁しました。
小中学校の給食無償化に向けて
学校給食費は、一人当たり年間小学校で4万8千円から5万5千円、中学校で6万6千円と、子育て世帯にとって大きな負担です。千葉県内で無償化や減免が進んでいます。船橋市においても、給食無償化を求めました。これまで船橋市は「就学援助が認定されれば、給食費は免除している」とし、さらに財源を理由に「実施は難しい」としてきました。
しかし、就学援助は全ての家庭が対象ではないこと、給食費未納世帯に対し、裁判に訴えるなど法的措置をとる件数が年々増えている事を示し「就学援助や法的措置では、子育て世帯の支援にはならない」と市を質しました。また「第3子以降の無償化であれば、7500万円の財源確保で実施が可能だ。中核市の中でも財政力豊かな船橋市なら実施できるはずだ」と質すと、市は「他市の様々な取り組みを調べ、検討している。国や県の動向をみているところ」だと答弁しました。一歩前進の答弁でしたが、国や県が動かなくても、「市長がやる」と決めれば給食無償化は実施できることです。今後も無償化に向け、取り組んでいきます。
海老川下流域の洪水リスクを増す盛土
市長の政治姿勢は豪雨対策に逆行
海老川上流地区土地区画整理事業の市負担金などを含む予算が、賛成多数で可決されました。開発区域は海老川沿いの低湿地帯で、自然遊水地となっている地域です。そこに45万㎥(東京ドームの36%)もの盛土をし、市街化する計画です。下流域の洪水リスク増加は避けられません。
賛成した自民党議員でさえ、保水・遊水機能の維持が必要と討論で述べざるを得ませんでした。事態は深刻です。
市は国や県と協議の上、約5万3千㎥の調整池を区域内に造るから安全と述べますが、盛土量の1割でしかありません。
また市は、区域の南に県が貯水容量55万㎥の海老川調節池を設置するから安全とも述べますが、設置は30年以上も先です。しかも海老川を1時間50㎜の降雨に対応させるという設置目的でしたが、盛土で不可能となります。
1月の千葉県都市計画審議会でも下流域への影響が問題視され、市は5月に住民説明会を開く予定です。豪雨対策に逆行する市長の姿勢が厳しく問われます。
コロナでひっ迫の保健所職員を増員せず
市内で新型コロナウイルス感染症患者の1例目が発表されたのは、2020年の3月1日でした。
この発表以降2年間、船橋市の感染者数は、政令指定都市である千葉市を除くと、県内でもっとも感染者数の多い自治体として、推移してきました。
こうした中で、感染対策の最前線で活動をしているのが船橋市保健所ですが、そこで働く職員は、異常な長時間労働が常態化しています。
厚生労働省が過労死ラインの目安としているのは時間外労働が月80時間ですが、大幅に上回る状況は、依然として改善されていません。
保健所には、今年1月以降第6波でも本庁など他職場から140人の応援職員を送りました。しかし、時間外労働が80時間を超える保健所職員は1月32人、2月30人、月に190時間になる職員も出ています。応援ではなく、職員を抜本的に増やすことが必要です。
日本共産党は、引き続き、保健所職員の定数増を求めていきます。
第1回定例市議会 意見書(発議案)と主な議案・陳情への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(9人)、自由=自由市政会(7人)、飛翔=飛翔(6人)、創風=創風ふなばし(6人)、新楓=新楓(4人)、無所属:(3人)、は・小・今=議員の頭文字
【 ○=賛成、×=反対 】
第4回 定例議会
国民の声で政治をかえる年に
11月16日から36日間の日程で、令和3年(2021年)第4回船橋市議会定例会が開かれました。
市長提案議案の主なものは、船橋市中央図書館など6つの公共施設を指定管理制度で運営する議案のほか、新型コロナワクチン接種のための相談コールセンター業務の委託料などの補正予算です。また、令和4年度(2022年度)を始期とする10年間の市の基本的な計画となる「第3次船橋市総合計画基本構想」が提案されました。この基本構想には現在強行されている「行財政改革推進プラン」の根拠である「持続可能な行財政運営」の記載がほぼ、そのままの形で明記をされており日本共産党は反対しましたが、多数で可決されました。
子育て世帯臨時特別給付金
10万円の一括現金支給はじまる
18歳以下の子ども一人当たり10万円相当を給付する子育て世帯臨時特別給付金。当初の政府の計画は、まず現金で5万円を支給した後、残りの5万円はクーポンでの支給を基本としていました。しかし「クーポンでは使いづらい、現金で一括支給してほしい」という世論の高まりに押され、政府は12月半ばになり一括現金給付を認める方針転換しました。国民の声が政治を動かした成果です。
船橋市もまず現金5万円支給の通知を発送していましたが、年内に一括給付するための補正予算が12月議会最終日に市長から緊急の追加提案があり、全会一致で可決成立しました。
しかし、この子育て世帯臨時特別給付金は「子どもたちを支援し未来を拓く」ことが目的でありながら所得制限が設けられ、船橋市では2万人の子どもが対象外となり給付が受けられません。「不公平だ」という苦情が日本共産党にも多く寄せられています。自治体によっては、独自に対象外となった世帯への給付を行っており、船橋市にも実施を求めましたが「独自で給付するには20億円必要で実施は難しい」と冷たい市政です。
引き続き、困っている方への充分な支援を求めます。
コロナワクチン3回目接種
市民が混乱しない手法を求めました
12月議会に3回目のコロナワクチン接種について提案がありました。オミクロン株の感染拡大により1月20日に、初回接種完了から7ヶ月以上経過後に3回目の接種を実施することになりました。高齢者から順に、1月28日(金)から予約を開始し、個別接種は2月5日(土)から、集団接種は2月6日(日)から開始されます。予約は、接種券が届いたら自分で予約をとるというものです。
本市のコロナワクチン接種は当初、かかりつけ医で接種するよう、自分で予約をする手法でスタートしましたが、「電話が繋がらない」「予約が取れない」など、市民が大混乱に陥りました。「また同じ方法で市民を混乱させるのか」と議会で質し、同じ過ちを繰り返さないため日本共産党は、送付する接種券にあらかじめ「日時と接種会場」を印刷し、都合の悪い方のみ調整をする手法を提案しました。
しかし、保健所は「医師会と連携を取りながら、市民にご迷惑のかからないよう進める」と1・2回目と同様の手法で3回目接種を実施することに固執しました。
市民に混乱をきたすことのないよう、体制強化や医療機関との連携など、今後も要望を続けます。
海老川上流の開発事業より海老川水系の治水対策を
海老川流域は1990年代まで台風や豪雨で数百世帯が床上浸水を繰り返す甚大な洪水被害の歴史があります。支流の飯山満川周辺では、近年まで浸水被害が起きています。
海老川は千葉県の管理で、現在、30年間の整備計画がつくられ、その中心は海老川調節池の整備です。海老川は排水能力30㎜/時間しかなく、海老川調節池が整備されてようやく50㎜/時間となります。
しかし、この調節池整備は、「工事予定地の地下の水位が高く難工事で、予算も大規模になる」といわれ、計画期間は30年を超えることも考えられます。その間は、海老川の下流の排水能力は30㎜/時間しかなく、水害被害が繰り返されるのは避けられません。
すでに、近年の大雨で河川に入らない雨水(内水氾濫)によって海老川流域では道路冠水が繰り返され、3・4・25号線の八栄橋付近や、市場通りのJRの高架下のアンダーパスなど、船橋市の中心部の道路が通行止めになっています。大雨の頻度が増えており、海老川調節池ができるまで本町や宮本など船橋駅周辺の道路機能がマヒする恐れがあります。
この海老川の上流で進む海老川上流地区区画整理事業は事業地を土砂でかさ上げし、雨水も貯留して水害に備えるとしています。
しかし、同事業地だけが浸水を免れても、海老川流域の水害の解消にはなりません。
莫大な費用をかけて区画整理事業を支援する前に、浸水から街を守る対策こそすべきです。
児童相談所
建設に当たっては、児童への配慮と地元への十分な説明を
船橋市は、2026年4月に児童相談所の開設を目指しています。今議会には、予定地であるJR南船橋駅南口市有地内の整備面積を確定し、設計業務に着手するため調査を実施する委託費の提案がありました。
児童相談所建設予定地の周辺には若松団地や保育園、児童ホームなどがあります。この間、地域住民に対する説明は3回しか行われていません。そのうちの1回は書面のみが地元自治会などに郵送で届いただけでした。
児童相談所は、さまざまな事情で保護者と別れ、保護された児童が生活する施設でもあるため、建物や環境の整備には特段の配慮が必要です。また、近隣住民の十分な理解が必要だと議会で質しました。
市は建物の設計には十分配慮し、今後は地域にも丁寧な説明をしながら事業を進めると答弁しました。
児童虐待件数が増える中、児童相談所が果たす役割は大きなものです。今後も注視していきます。
投票しやすい環境に投票所への移動支援を
2021年は選挙が多い年でした。こうした中で市民からは「投票所まで歩いて行くのが大変だ」という声が寄せられました。ある高齢の方は「投票所まで歩いて30分かかる」との事です。郵送による不在者投票は要介護5でないとできないため、要介護4以下の方、高齢者などが不便を感じています。
茨城県筑西市ではタクシーによる投票所までの移動を全額助成する制度が始まっています。この助成制度は要介護(1~5)の方、75歳以上の方、免許を返納した方など幅広い市民を対象としています。船橋市での導入を求めました。
また、現役世代の方からは「フェイスビルでの期日前投票所の開設時間を常に午後9時までにして欲しい」という要望が寄せられました。総選挙では10月27日~29日の3日間だけ午後9時までの投票が可能でした。議会では「午後9時までの期間を増やせないか」と質しましたが「費用対効果」を理由に検討していないという答弁でした。
老若男女共に投票しやすい環境づくりが必要です。引き続き改善を求めていきます。
気候変動への緊急の取り組みを
豪雨や猛暑、山火事など異常気象が続く中、昨年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、地球の平均気温の上昇を産業革命前より1・5度に抑える努力を追求することが初めて合意されました。2030年までに世界の二酸化炭素排出量を45%(2010年比)減らす必要がありますが、船橋市の2030年目標は26%減(2013年度比)と極めて少なく、対策を急ぐ必要があります。
市によれば2017年度、市内の温室効果ガス排出総量は353万トンで、このうち4割は産業部門です。特に多い60の事業所で全体の15%を占めます。柏市や京都市は大所の事業所名や実績、計画を公表しており、船橋でも実施をと、本会議で求めました。
市は「事業者の負担になると聞く。まずは大所の事業者から取り組み状況を聞き、情報共有を図る」と消極的な姿勢を見せました。大企業に肩入れせず、市民を信頼して情報を公開すべきです。
本会議ではこの他、▽住宅用太陽光発電システム・省エネ設備費の補助金の予算枠拡大▽再生可能エネルギーの利用や税制、補助金、脱炭素に有効な製品サービスの選択など、市民に助言できるような支援窓口の設置▽気候変動対策課の設置▽気候非常事態宣言の発出などを求めました。市は宣言について「ゼロカーボン宣言をしており、改めてする必要はない」と答えましたが、特に若い世代や途上国が抱く危機感の共有が求められます。引き続き取り上げていきます。
なぜスクールサポートスタッフは必要なのか
教員未配置が市内の学校で増えています。多くは産休、育児休暇などへの代替教員がいないためです。今年度(11月19日現在)の市内小中学校、特別支援学校の教員未配置数は45人にもなっています。市教委として教員確保に努めるべきです。教員未配置対策と、いつ解消されるのか議会で質しました。
市は「ハローワーク等で募集する」と答弁する一方「講師不足は年々悪化している。千葉県では約10年前の教員採用試験志願者は6千600人だったが、今年度では4千300人となっている」「いつ解消できるか見通しは立っていない」と答弁しました。
教員志願者が減っている背景には教員の多忙化があります。せめて、教員免許が無くてもできるスクールサポートスタッフ(本来は県の費用ですが、県が今年度は予算を減らしている)を船橋市が独自で雇うべきではないかと質しました。
市は「1名あたり年間180万円必要になる」とお金を理由に拒みました。しかし、このままでは負のスパイラルが続きます。引き続き教育環境の充実を求めていきます。
やめないで!「有価物・資源ごみ回収事業費」
「有価物・資源ごみ回収費」は、有価物回収事業・資源ごみ回収事業を行う団体に対し、協力金を交付する事業です。船橋市は、この事業を「見直す」ので、協力金の交付先である自治会・PTAなどに「意見を聞いている」と議会では答弁。ところが、実際には「廃止します」と知らせていたことが分かりました。市の「意見を聞く」という言葉は、実は「伝えただけ」だという実態が明らかになりました。市民からの信頼回復のためにも、「伝えただけ」という対応こそ、見直すべきです。
第4回定例市議会 意見書(発議案)と主な陳情への態度
共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(9人)、自由=自由市政会(7人)、飛翔=飛翔(6人)、創風=創風ふなばし(6人)、新楓=新楓(4人)、無所属:(3人)、は・小・今=議員の頭文字
【 ○=賛成、×=反対 】
第3回 定例議会
新型コロナ・ジェンダー平等・土地利用規制法
いのち・くらし・人権を守ろう
8月30日から10月5日までの日程で第3回定例議会が開かれました。
市長から提案があった新型コロナ対策などの補正予算や、2020年度決算を審査しました。日本共産党は新型コロナ対策に関し4本の意見書と選択的夫婦別姓に関する意見書、土地利用規制法に反対する意見書を提案しました。市民民主連合などの賛成を得たものの賛成少数で否決されました。
公平性に欠く還元事業の実施
キャッシュレス決済ポイント
新型コロナ対応臨時交付金約10億円の補正予算を使った「キャッシュレスポイント還元事業」が賛成多数で可決されました。
市内の店舗でキャッシュレス決済を行うと、決済金額の一部がポイントとして還元されます。これによって消費を喚起し、コロナ感染症で影響を受けている市内事業者の経営を支援するとともに、国が推進するキャッシュレス決済を普及させることが目的です。しかし、対象はキャッシュレス決済を導入している店舗に限られ、現金で買い物する市民は支援の対象外となり、公平性を欠く事業内容です。コロナ対策であれば検査体制の充実や教育支援などが先ではないでしょうか。日本共産党他3人の議員が反対しました。
市民と野党の共闘で、ジェンダー平等を実現
世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数2021」では、日本は156カ国中120位。ようやく日本でも、ジェンダー平等の議論が、進み始めています。
日本共産党は、この問題でも市民と野党の共同で、船橋市でもジェンダー平等に向けた努力を続けています。今議会で、無所属議員や他の政党会派の議員にも呼びかけ、「選択的夫婦別姓制度の導入に向けた国会審議の推進を求める意見書」を提案しました。
提出に賛同したのは、今仲きい子・はまの太郎・池沢みちよ・朝倉幹晴・浦田秀夫の各議員です。
主な内容は、選択的夫婦別姓制度に関し、制度の導入に向けた国会審議を推進するよう、強く要望するという内容です。
結果は賛成が、市民民主連合(8人。2人は退席)、日本共産党(5人)、飛翔(3人。3人は反対)、無所属(3人)で、賛成少数のため否決となりましたが、船橋市議会の中で多数派になるよう、引き続き力を尽くします。
感染爆発と医療崩壊
背景に不足する船橋市の医療
千葉県内では、新型コロナウイルス感染症により、県全体で1020人の方が亡くなっていましたが、このうちの110人の方は船橋市民です(10月20日現在)。
2021年度版の都市データパックに掲載されている、中核市の統計によると、人口1万人当たりの医師の数は、船橋市は63市中60位。病床数も60位です。人口は最も多いのに、医療環境は最下位クラスです。
本市のコロナ対策は失敗ではないのか、こうした本市の状況について市長の見解を質しました。
市長は、「私としては、多くの方々のご意見を取り入れながら最善を尽くしてきた。万全とは言わないが、船橋市としての体制はしっかりとやってきた。それで、それによってできているものはたくさんあった」と答弁。こうした深刻な事態に至ってしまったことについて、説明はありませんでした。
なぜ、感染爆発がおき、医療崩壊が起こってしまったのか。この状況に対して反省が無いのであれば、同じことが繰り返されてしまいます。
現状の認識を改めることが重要となっています。
国民監視の「土地利用規制法」は廃止を!
「土地利用規制法」は、自衛隊基地などの周囲おおむね1kmを注視区域等に指定し、土地や建物などの利用状況を調査・規制します。
船橋市では陸上自衛隊の習志野演習場、習志野駐屯地周辺のおおむね1kmが注視区域等に指定される可能性が高く、住民からは不安の声が上がっています。同法の調査では駅やホテル、飲食店の従業員だけでなくお客さんも含め土地や建物を利用するあらゆる人(周辺1kmに関係なく)が対象になるからです。
調査は氏名や住所、思想信条、交友関係など多岐に及ぶ可能性があり、人権を侵害する危険があります。
船橋市は同法に基づく情報提供を求められた際には市民の個人情報提供を拒むべきではないかと質問しました。
併せて、個人の思想信条の自由が侵されるような個人情報の扱いについても質しました。
市は「廃止を求める考えはない」「粛々と事務を執行していく」「法令等で規定されている範囲で(個人情報を)提供する」と答えました。
市民の個人情報を提供することは人権侵害で許されません。憲法違反の法律行使を許さず廃止させるために力を尽くします。
自然破壊 開発利益優先が鮮明に
災害引き起こす海老川上流地区開発
7月に市が縦覧(一般に公開)した海老川上流地区での大規模宅地開発「メディカルタウン構想」に関する市の都市計画案に、市民から66通の意見書が出されました。洪水や液状化の危険地域での開発や医療センター移転などに反対の声が大多数です。しかし9月15日の船橋市都市計画審議会(以下、市都計審)で、計画案は13対1の賛成多数で承認されました。今後、千葉県都市計画審議会が計画案を承認すれば、土地区画整理組合の設立が認可され、造成工事が開始されます。
市都計審の開催日は新型コロナ「第5波」の影響で10月に予定されていました。ところが2026年度中に病院が開設できない、工事による休業補償額が引き上がるなどの組合設立準備委員会からの要望を受けて、市は市都計審を前倒しに開催しました。
市は想定し得る最大規模の降雨(9時間で総雨量516mm)でも宅地の浸水深が50 cm以下となるよう、開発区域で宅盤の嵩上げを検討すると報告。また海老川下流部での水害の懸念に対し、区域内に調整池を整備することから、1時間に約50 mmの降雨なら問題ないとしました。気候変動の影響は考慮されていません。県による海老川調節池の早期整備を要望するとも言いますが、完成時期は未定です。
昨年の市の環境アセスメントでは、開発区域と周辺で重要種としてカヤネズミやニホンイシガメなど39種の動物、10種の植物、6種の魚類と底性動物が確認されましたが、開発による影響は少ないと結論づけました。しかし生息地の減少は生物多様性の確保に逆行します。
市民の声を聞かずに開発利益を最優先にする姿勢が鮮明です。
策定中の総合計画に意見書提出
2022年4月開始で10年間の市の計画「基本構想」「基本計画」を現在市が策定中です。この計画に市議会として意見を反映するため、総合計画に関する調査研究特別委員会が設置されています。
市長提案の基本構想について、日本共産党は福祉切り捨ての行財政改革を大前提とする「持続可能な行財政運営」とメディカルタウン構想の「海老川上流地区」の記載の削除を求めました。
また、「基本的人権の保障、気候変動、ジェンダー平等、貧困解消など問題解決に向き合うこと。三番瀬のラムサール登録推進。感染症対策として医療や保健の充実」等を盛り込むことを求めました。
「基本構想」は12月議会で議決され、基本計画は来年3月までに市長が策定します。
一人一台 ICT機器導入支援員の抜本増を
学校ではタブレットやノートパソコンなどのICT器機を1人1台配布して授業が始まっています。9月議会には先生用のICT端末の契約議案が提案されました。
船橋市は各学校に週1回だけICT支援員の派遣を決めていますが、学校からは各学校に1人の支援員配置を求める声が寄せられています。併せて昨年度は学校の様々な業務(コロナ対策や教材の作成等)をサポートするスクールサポートスタッフが各校1人配置されていましたが、今年度は大幅に減らされています。ICT支援員、スクールサポートスタッフの増員をすべきではないかと質しました。
市からは「ICT支援員は今年度の状況を踏まえて検討したい」「スクールサポートスタッフは県費による配置なので県に要望する」との答弁がありました。対策が急がれます。
新たな湾岸道路推進!?「三番瀬最優先の方針は変わらない」市長
三番瀬を埋め立てて建設しようとした第2湾岸道路計画は市民の反対で中止になりましたが、「新たな湾岸道路」という名前で復活しようとしています。
9月、千葉県と千葉・船橋・市川・習志野・市原・浦安の6市長が、国土交通大臣に「市原市、千葉市から市川市の外環高谷ジャンクションまでの湾岸部に多車線の自動車専用道路の建設」を要望したのです。
この道路が三番瀬を避けても、船橋航路をまたぐことになれば、野鳥が行きかう谷津干潟と三番瀬の間に高い橋脚の壁を作ることになり、自然環境への影響は避けられません。
新たな湾岸道路に関し市長の姿勢を問いました。市長からは「三番瀬は最優先にするという考え方は変わっていない、市の基本方針は変わっていない」との答弁がありました。
また、策定中の市総合計画に三番瀬の保全とラムサール条約登録の推進を盛り込むよう求めました。
住民要求実現へ 北総鉄道
運賃値下げに着手
北総鉄道は、これまで多額の利益を出しながら、累積損失を理由に「値下げができない」と言ってきました。しかし2022年度には累積損失が解消されることが明らかになり、運賃値下げの見通しが出てきました。運賃値下げを求める市民団体と沿線市の日本共産党が共に活動を続けてきた成果です。
現在、北総線の運賃は、親会社である京成電鉄のおよそ2倍のため、北総鉄道に対し、「現在の半分に運賃を引き下げるよう、船橋市として意見をあげるべきだ」と議会で要求しました。しかし企画財政部長は、「他市と情報交換しながら、状況を注視していきたい」と回答をしただけで、市民の要求実現のために北総鉄道に声をあげるという姿勢は、全くみられませんでした。今後も住民の声が反映されるよう頑張ります。
第3回定例市議会 意見書(発議案)と主な陳情への態度
共産:日本共産党(5人)、民主:市民民主連合(10人)、公明:公明党(9名)、自由:自由市政会(7人)、飛翔:飛翔(6人)、創風:=創風ふなばし(6人)、新楓=新楓(4人)、無所属:(3人)、は・小・今=議員の頭文字
退:退席、○:賛成、×:反対
定例議会
コロナ禍深刻 今こそケアに手厚い市政を
市長選挙後、第2回定例市議会が行われました。ワクチン接種やPCR検査、生活支援などの新型コロナ対策を中心とした補正予算案を審議。一般質問では海老川上流地区開発とその財政問題、生理の貧困対策を取り上げる質問が続きました。
不十分な「ワクチン・PCR検査・子育て給付」の補正予算
ワクチン
ワクチン集団接種会場の設置費用や接種を行う医療機関への助成が盛り込まれました。しかし国からのワクチン供給が減らされ、7月15日には新規の接種予約を中止する事態となり、8月16日に個別接種の予約は再開しましたが、集団接種は中止したままです(8/17現在)。
PCR検査
PCR検査費用で追加されたのは高齢者・障がい者施設職員の月1回(まん延防止等の期間は2週に1回)のみで、訪問介護職員は対象外と極めて不十分です。市中感染が広がる中、無症状でも希望すれば検査ができる体制が必要です。少なくとも保育所や学校、幼稚園で定期的な検査をすべきです。
子育て給付
今回、低所得の子育て世帯(ひとり親世帯以外)への特別給付金が追加されました。5月のひとり親世帯への給付金に合わせて実施する国の制度です。ただ、今回は船橋市が国の制度に上乗せしないため、これまでより支給対象世帯が大幅に減ります。
不十分な補正予算ではありましたが、日本共産党は賛成しました。
海老川上流地区開発の新駅 15億円も増額 一方で財源不足と住民脅し
市長選挙後、海老川上流地区開発「メディカルタウン構想」における新駅設置の事業費が65億円になるとの報告が議会にありました。従来の50億円からいきなり15億円もの増額です。同開発への市負担は総額181億円にもなりました。
この間、巨額の開発費捻出のため、「行革」として公共料金の値上げや福祉の削減が強行されました。市長はさらなる「行革」を進めながら、市民に増額を隠し、市長選を行ったのです。日本共産党による本会議での「市民をだました」という指摘に市長は「承服できない」と怒りをあらわにしましたが、隠したのは事実です。
一方、市は議会に対し、今後10年間は毎年40億~80億円の財源が不足するという財政推計を示しました。これを受けて他会派の議員は本会議で、「公民館や児童ホームを指定管理にし、学校給食をセンター方式にしてでも、海老川上流地区のまちづくりを実施する覚悟か」と質問。市長は否定せず、教育や福祉を後退させてもすすめる姿勢です。
しかも、市民生活を犠牲にして市費をつぎこむ海老川上流地区は、ハザードマップ洪水被害が想定されています。
危険な開発から直ちに手を引くべきです。
2030年温室効果ガス削減目標50%に引き上げを
船橋市は2050年までに温室効果ガス「実質ゼロ」を掲げましたが、2030年度までの削減目標は「13年度比で26%」と低いものです。国は4月に46%減を表明しています。
2030年度は5割減にするよう市に求めました。市は「国の計画変更後に見直しを検討」と答えましたが、すでに長野県は6割減を表明しています。
公共施設の電力を、石炭など化石燃料中心の東京電力から購入していることも問題です。東京都は一昨年、電力調達の入札時に「総合評価方式」で落札者を選び、都庁第1本庁舎の電力を再生可能エネルギー10割にしました。船橋市でも同様にと求めると、「研究したい」との回答でした。
温暖化対策は待ったなし。直ちに目標を引き上げ、改善すべきです。
有権者の権利を守るため 投票所の環境整備を
船橋市では、2021年の千葉県知事選挙から、期日前投票所が2箇所増えました。しかし、いくら利便性の高い場所に期日前投票所を増やしても、車がなかったり、長時間歩くことが困難な高齢者は、やはり投票に行きたくても行けない、選挙に参加できない状況は改善されません。「新たな民間施設の借り上げや、巡回バス・移動式期日前投票所の導入は可能ではないか」と質しました。選挙管理委員会事務局長からは、「民間借上については、コロナ収束後に検討。送迎や移動式期日前投票所は、山間部や投票所の統廃合に対する補完のためなので、今後研究していく」と3年前から進展のない回答でした。高齢化率が年々高まっています。市内全域の課題として、有権者の権利を守るため、投票所の環境整備が必要です。
小学校の近隣で警察の訓練に 土地を無償で提供?!
2017年に市が買い上げた二和向台駅前の国家公務員宿舎跡地は、船橋北部地域に船橋駅前総合窓口センター(フェイスビル5F)並の機能を持たせ、児童ホーム、防災公園などをつくる為の土地です。
しかし、未だ手付かずで荒れ放題の宿舎跡地を、警察に、訓練のために無償で貸していることが共産党の質問で明らかになりました。
市は、「建物損壊がないか、月に1度、報告をしてもらっている」としながら、訓練の頻度や、内容も把握していませんでした。「小学校のすぐ前で、重装備の警官による訓練などは直ちにやめさせて、市民が活用できる公園などに整備することが市の役割であり、責任だ」と質しましたが、市長からは、「新しい生活様式に移る中で、跡地利用事業も検討する必要がある」との答弁でした。一日も早く市民が活用できるよう取り組みます。
子どもたちが安心して 成長できる学校に
共済は保護者負担ゼロに
学校管理下で起きた児童生徒の負傷などに対する共済制度「日本スポーツ振興センター災害共済給付制度」は、市長が進めた行革により保護者の費用負担が生まれました。これに伴い、共済に加入しない児童生徒が出てきています。共済加入の保護者負担はゼロに戻すべきだと求めました。
給食費を無料に
県内では8つの町で給食費が完全無料です。第3子から無料など一部補助がある自治体も10市町あります。船橋市でもまずは第3子以降を無料にすべきだと求めました。
市は「他市と情報共有を図り、県の動向を注視したい」と否定しませんでした。引き続き給食費無料への声を上げていきます。
GIGAスクールで混乱
学校ではiPadなどのICT器機1人1台端末を使った授業が始まりましたが、現場では混乱が生まれています。とりわけ、小学校の低学年では深刻です。
小学校のiPadは市販のものと同様です。このiPadを使って「最初にパスコードを変更しよう」という授業をしようとしても「設定」のアイコンに書いてある文字は漢字です。教員が「設定をタップしてください」と言っても漢字が読めず伝わりにくいのです。iPadは漢字や英語の表示が多く低学年には大きな壁となっています。
ICT器機を活用した授業に対し、市は週1回各校にICT支援員を派遣していますが、週1回では足りないという声が教員から寄せられました。各校に1人の支援員を配置すべきだと議会で求めました。
市は「活用状況や学校の要望等を踏まえて検討していきたい」と答弁しました。改善が急がれます。
個人情報を丸ごと収集 危険な「土地利用規制法」
正式名称は、「重要施設及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」、通称、「土地利用規制法」。6月16日未明の国会で、自民・公明・国民民主・維新等の賛成多数で可決しましたが、人権侵害が著しい、違憲の法律です。
主な内容は、
▽安全保障上重要とする施設の周囲1キロの範囲内で、土地や建物の所有、利用など、不動産取引の事前届けの義務付けを行うこと。
▽範囲内の住民が、重要施設等の機能を阻害する行為をすると、土地の利用制限、応じない場合は刑事罰が科される、などです。
住民にどのような調査・規制を行うのか具体的なことは、政府の裁量に委ねられています。調査内容や範囲、期間、実施主体などの歯止めがなく、
氏名や住所、国籍、思想信条、所属団体、家族、交友関係、海外渡航歴など多岐に及ぶ可能性があります。地方自治体が個人情報を提供した場合、本人に知らせる必要もありません。
習志野演習場周辺の住民からは、「我が家は対象になるのか」「阻害する行為の内容がわからない」など、不安が寄せられています。
市民の不安に応えるために、市の対応を求めましたが「国の専管事項なので市では担当部署は設けない」と回答するだけでした。
人権侵害に、行政が加担するのかそれとも守るのか、市の対応が問われます。
保育園にはならない「預かり保育」
保育を必要とする3歳未満児を幼稚園で毎日預かる〝預かり保育幼稚園型Ⅱ〟が1園で開始される費用が予算化されました。待機児童解消策として国がつくった制度ですが、保育園や保育所に比べ施設も職員の配置も劣悪な基準が問題です。全国的に教育・保育施設での重篤事故が増加し、安全性の確保がより重要になっています。待機児を解消するためには認可保育園を増設することが船橋市の責任です。
船橋市議会 意見書(発議案)と主な陳情への態度
※船橋市議会では陳情も請願同様、委員会付託が原則でしたが、清風・公明・飛翔・新楓の議員により、付託省略という乱暴な運営が行われました。
共産:日本共産党(5人)、民主:市民民主連合(10人)、公明:公明党(9名)、自由:自由市政会(7人)、飛翔:飛翔(6人)、新楓:新楓(4人)、自民:自由民主党(3人)、清風:船橋清風会(3人)、無所属:(3人)、
は・小・今=議員の頭文字
退:退席、○:賛成、×:反対